米パーム、Palm OS 6でビジネスマーケットに照準

 米Palmは、Saharaという新たなOSの開発に取り組んでいる。同社では、これによりPalm OSが企業向けの製品としてさらに便利になることを期待していると、同社CEOのNavid Nagelが18日(米国時間)に語った。

 現在開催中のCeBit Americaトレードショーでの講演のなかで、Nagelは、Saharaにはセキュリティ、ウェブブラウザー、ドキュメント閲覧、インスタントメッセージ、電子メールなどの諸機能が盛り込まれると述べた。

 Palm陣営のこの動きは、競合するMicrosoftのPocketPCとのシェア争いの中で、法人顧客への訴求を狙ったもの。企業では、これまでのところ、サポートするコンピューター機器のなかにPalm OS系のPDAを含めることに難色を示す場合が多く、競合するMicrosoftのPocket PC系のPDAに市場シェアを奪われている。

 Palmは目下、ライバルのハードウェアメーカーHandspringの買収を進める一方、PalmSourceを独立したソフトウェア開発企業として切り離そうとしている。

 SaharaはPalm OS 6の開発コードネームで、ARM製の高速なプロセッサに対応したPalm OS 5に、さらに新たな機能が加えたものとなる予定。今年度末までには、ソフトウェア開発者に向けて、その一部が公開され、さらに半年後には一般発売されるという。

 Palmでは、IBMやNovell、Vistoとの技術提携を行い、技術開発を独自に進めるよりも、他企業から必要なものの提供を受ける方向に進んでいるようだ。

 たとえば、IBMからはWeb Service Toolkit for Mobile Devicesのライセンスを取得し、現在策定が進められているインターネットでの各通信標準にPalmの機器を対応させようとしている。「いまやろうとしているなかで、もっとも複雑なのは、Webサービスの分野をPalmにサポートさせることだろう」(Nagel)

 また、Novelが供給するZENworksソフトウェアは、ネットワーク経由でPalmのデータ同期を実行し、システム管理者がポリシーに沿った各種設定を行うことを可能にする。このソフトを使えば、一定回数以上のログイン失敗後には記録されたデータをすべて消去したり、あるいは会社が認めていないソフトウェアのインストールを防止するなどのセキュリティ対策が可能になる。

 一方、Vistoのソフトウェアを使えば、Microsoft ExchangeやIBM Lotusなどのグループウェアで、サーバ側に蓄積されたメールを、Palmから確認できるようになる。また、802.11やBluetoothなどを使った無線通信環境で、メールを送信できる機能も含まれている。

 Saharaでは、セキュリティに関して特に力を入れており、その強化を図るためプログラム全体を根本から見直した。この設計の見直しで、不正プログラムの使用を排除したり、VPN経由でのPalmの利用を可能にするといった機能が加わる。

 このほか、Saharaには、CSSやJavaScript、D-HTMLなど、デスクトップPCで実現しているさまざまな規格をサポートするウェブブラウザが搭載され、またWordやAdobe Acrobatなどの一般的なファイル形式のドキュメントを開くことも可能になる予定である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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