NECは、電源回路をガラス基板上に集積した携帯電話機用システムオングラス(SOG)液晶ディスプレイ(LCD)の開発に成功した。NECが5月23日に明らかにしたもので、同社によると「開発成功は世界初」という。
同SOG-LCDは表示サイズ2.1型、画素数176(水平)×234(垂直)ピクセル、26万色(6ビット×RGB)の表示が可能。ガラス基板に直接3Vの電圧を加えるだけで、液晶駆動回路で使うさまざまな電圧の電力をすべて供給できる。「外付け電源ICが不要になるので、LCDモジュールの小型実装化、低コスト化が可能になる」(NEC)
同社は、「従来のSOG-LCDでは、3Vよりも高い電圧や負電圧など複数の電力を供給する必要があったため、LCDモジュールの小型実装化、低コスト化に限界があった」と説明する。「特に、表示状態によって消費電力が大きく変化する6ビットDigital-to-Analog Converter(DAC)に対し、変動に影響されず一定の駆動電圧を供給できる電源回路をガラス基板上に集積することは、従来の回路構成では困難とされていた」(同社)
そこで同社は、DACの電力変化に対して一定の駆動電圧を出力できる薄膜トランジスタ(TFT)電源回路を開発することで、問題の解決を図った。
なおNECは5月22日に、メリーランド州ボルチモアで開催中のディスプレイの国際学会、SID 2003で同SOG-LCDの発表を行う。
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