SARSに揺れる中国PC市場の「陰と陽」

 台湾の市場調査会社Market Intelligence Center(MIC)によると、重症急性呼吸器症候群(SARS) の発生は中国のパソコン販売にも深刻な打撃を与えている。「SARSの脅威は需要や購買行動、競争状況を一変させ、中国のパソコン市場全体を揺り動かしている」(MIC)

 現在、中国でのSARSによる死者は280人、発症者は5000人以上にのぼっている。普段は人々でごった返す北京の電気製品ショッピングモールも、3月と4月はゴーストタウンと化し、こうした小売拠点での消費者向けデスクトップパソコンの需要は最大50%も減退した。また北京全体の売上高は75〜85%落ち込んでいる。さらに、3月と4月の企業向けデスクトップパソコンの販売も、予測を10〜15%下回った。

 5〜9月の見通しについては、消費者向けデスクトップパソコンが30%減、企業向けが5%減と予測する。2003年第2四半期と第3四半期における中国のデスクトップパソコンの売上高予測は、15〜20%の下方修正となる見込みだ。

 しかしMICは「SARSにより家庭に閉じこもることを余儀なくされたユーザーが、オンラインを利用したライフスタイルや自宅勤務に慣れてきたため、今後はパソコン需要が伸びる」と分析する。

 その他、主な調査結果は次の通り。

  • 2003年第2四半期に、SARSによりパソコン販売が打撃を受ける地域は、中国北部、南部、北西部の各省。西部、中央部、南西部、北東部では比較的影響が少ない。
  • 大都心のベンダーは中小都市よりも影響を被るだろう。
  • SARSの脅威は、広告の力やインターネットの重要性を高め、電話の売上高を増加させる。この恩恵を受けるのは大手国営ブランド。実際、国営ブランドに対する需要は、5月に回復し始めている。いっぽうノーブランドの「ホワイトボックス」メーカーは最も痛手を被る。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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