日立とマクセル、テラバイト級の多層光ディスクに向けた基本技術を開発

ニューズフロント(CNET Japan特約)2003年05月16日 17時25分

 日立製作所と日立マクセルは、多層光ディスク向けの基本技術を共同開発した。日立製作所が5月16日に明らかにしたもの。記録したい層以外の層を透明化することで、1枚のディスクに最大で100層程度の多層記録を行い、全体でTバイト級の記録容量を実現できる技術という。

 同技術では、光ディスクの記録層に、電圧印加で色が変化するエレクトロクロミック材料を採用する。印加する電圧を調整すると、ある1層だけを着色状態にし、ほかの層すべてを透明化できる。これにより、記録/再生する層の選択が可能となる。

 従来の多層ディスクでは、記録/再生対象とする層以外の影響を避けるため、各層の間隔を約25ミクロン空ける必要があった。それに対し両社が開発した技術は、対象外の層を透明化して影響を除去できるので、層間隔を0.3ミクロンまで狭められる。その結果、「従来方式の2層ディスクと同程度の層間隔と厚さで、100層もの多層化を実現できる」(両社)

 なお両社は、記録層が1層だけの光ディスクを作成し、記録/再生の動作原理を確認する実験を行い、予定通りの結果を得たという。実験で使用した光学系は、現行のCD-ROMやDVDとの互換性がある。「今後は同技術を用いた多層光ディスクの実現を目指し、開発作業を進める」(両社)

日立製作所のプレスリリース

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