シマンテックは2002年12月25日、国内と世界における2002年の年間ウイルス/ワーム被害ランキングを発表した。今年、国内・世界ともに最も多かったのは「クレズ H」(W32.Klez.H@mm)でその被害件数は国内では9266件、世界では29万7196件に達した。
国内ではこのあと、「クレズ E」(W32.Klez.E@mm)、「バッドトランスB」(W32.Badtrans.B@mm)と続くが、その被害件数はそれぞれ1940件と1820件。クレズ Hが圧倒的に多かったのが分かる。
今年はこのクレズをはじめ、世界で2番目に多かった「バグベア」(W32.Bugbear@mm)など、複数の感染経路で被害を及ぼす「複合型の脅威」が主流となった。
また新たに発見されたウイルス/ワームのほとんどは複合型だったというのも今年の特徴。メールを介して感染を広げる以外の攻撃手段をとるものが多く見つかっている。例えば、Shockwave Flashのファイル(.swf)に感染する「エルエフエム」(ACTS.LFM.926)、Microsoft .NETフレームワーク用に作成されたEXEファイルをターゲットにする「メンジャー」(JS.Menger.Worm)、KaZaA(カザー)のファイル共有ネットワークを介して繁殖する「ケーダブリュボット」(W32.Kwbot.Worm)などがある。
なお先ごろ英ソフォスが発表した、世界のウイルス被害ランキングでも、クレズ、バグベア、バッドトランスがワースト3となっている。「とりわけクレズの被害は長期に渡って続いた」と同社では報告している。クレズは同社のランキングで7カ月連続してワースト1になるなど、1年を通じて継続的に被害を広げたという。
2003年もクレズのように、メール送信者のアドレスを実在する他人のものに置き換えるものが継続して広がるとソフォスでは予測している。
シマンテックでは、2003年も複合型が主流になると予測している。また「正常なプログラムとも不正なプログラムともいえないグレーウェア(Grayware)の急増も危惧される」(同社)という。グレーウェアとしては、ユーザーが使用許諾契約書に同意すると大量メールを送信する「フレンドグリート」(W32.Friendgreet.worm)が今年9月に発見されている。
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