2016年夏に読んでおきたい--仕事のスキルを一段階アップさせる本5冊

 日々の仕事に追われていると、目の前の仕事を処理するのに手一杯になってしまい、なかなか新しいスキルを身につけにくい。仕事を続けていく上では、スキルアップは必須のことだが、「新しいスキル」といっても、資格を取るなどの難しいことに挑戦しなくても、モノの見方を変えてみたり、既知だと思っていることを学び直してみたりすることも含まれるのではないだろうか。今回は、そのような視点で、仕事のスキルを一段階アップさせてくれる本を5冊紹介したい。

「あなたの1日は27時間になる。」


「あなたの1日は27時間になる。」

 まずは、時間の使い方を見直すための本。本当に「1日27時間」になるわけでは、もちろんないが、自身の1日の使い方を見直して、効率化を図ったり、仕事のスピードをアップさせたりして、「自分のための3時間」を手に入れようというものだ。このように書くと、よくある仕事効率化の本と変わらないが、本書の場合は、4週間という期間で時間を作り出せるようになるためのプログラムが用意されている。このプログラムに従えば、4週間で「無理なく、習慣化できる」ようになるというものだ。

 仕事を効率化して自分の時間を作りたいが、どこからやればいいのか分からないという人にぴったりだ。今始めれば、秋には「時間に余裕ができた自分」になれるかもしれないそうすれば、スキルアップに使える時間も増えるのだ。

「やり直し・差し戻しをなくす できる人の準備力」


「やり直し・差し戻しをなくす できる人の準備力」

 自分の時間を作り出したいと思ったとき、仕事の「やり直し・差し戻し」ほど時間が無駄になることはない。二度手間を避けるためにやることは、「準備」。本書ではいかに準備が重要か、著者はどのように準備して仕事に臨むのかが詳しく書かれているので、非常に参考になる。著者の職業はブックライターだが、一つの仕事に取りかかるときの準備の重要性は、どのような仕事をしていようと変わらない。

 このような本を読む時には、「自分の仕事ならどの部分にあたるか」「自分の仕事に置き換えると、どのように応用できるか」を考えて読むと、自分とはまったく違う仕事をしている人の経験でも、役立つ知恵に変えられる。職業は違っても、やるべきこと、やった方が良いことの本質は変わらないのだ。

「理系に学ぶ。」


「理系に学ぶ。」

 本書は、そもそも理系の人には関係のない話かもしれないが、自分の苦手とする分野で活躍している人の話を聞くというのは、非常にためになる。自分のモノの見方が偏っていると気付いていない場合でも、「いつもと違う分野」に足を踏み入れてみると、異なる視点に気付けるはずだ。

 また、「理系」と一口に言っても、本書に登場しているのは、ゲームを開発した人、ミドリムシを売り込んだ人、宇宙に行った人と、さまざまな分野で活躍している人々だ。理系のことは自分には関係ないとシャットアウトしてしまうのはもったいない。自分には体験できないことを体験している人の話は、今後の自分の仕事や生活に、何らかの影響を及ぼすことは間違いない。本書は対談形式で読みやすいので、気になる人の話から読んでみるといいだろう。

「英語感覚が理屈でわかる英文法 英語の「根本」がわかる、読む文法書」


「英語感覚が理屈でわかる英文法 英語の「根本」がわかる、読む文法書」

 英語が仕事に必要なスキルだという人も多い。自分の関わる仕事に関する最新情報は、常に英語で発信されているということもあるだろう。少しでも、英語で理解する力がアップすれば、ビジネスチャンスにしたり、コミュニケーションに生かしたり、役立つシーンは増える。本書では、英語の文法を「なるほど、そういうことか!」と腑に落ちるように説明してくれるため、読めば、確実に英語の理解力がアップする。

 本書は、英語の感覚を、徹底的に文章で説明している文法書なのだが、「前置詞の使い分けがいまいち分からない」「自動詞とか他動詞とか言われても、要するにどういうこと?」といった、辞書を見てもいまいちぼんやりとしか分からなかったことを、すっきりとクリアにしてくれるため、ある程度英語ができる人でも発見があるのではないだろうか。

「大人の言葉の選び方 ちゃんと伝わる きちんと伝える」


「大人の言葉の選び方 ちゃんと伝わる きちんと伝える」

 本書は、尊敬語や丁寧語などの使い分けといった言葉遣いの本ではない。相手を気遣うときのモノの言い方から、セクハラされた時の怒り方まで、大人として毅然とした態度を取ることまでを踏まえた「言葉の選び方」が分かる本なのだ。

 言い方一つで、捕らえられ方が変わってくるので、状況を瞬時に見極めて、声のトーンにも気を付けて言う必要がある。とっさに思い出したいフレーズを覚えておいて使うと、相手に与える印象がだいぶ変わるだろう。これは仕事のスキルアップというよりも、人としてのスキルアップとも言える。言葉遣いは、本を読んだからといってすぐに身につくというものではないが、言い方を知っているのと知らないのとでは大違いだ。

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