“自転車天国”目指す愛媛県--マイクロソフトがクラウドなどで支援

 日本マイクロソフトと愛媛県は4月22日、愛媛県が展開する「愛媛マルゴト自転車道」の推進で連携すると発表。その取り組みとして「愛媛マルゴト自転車道サービスサイト」を公開した。

 愛媛マルゴト自転車道は、瀬戸内しまなみ海道を中心に、県下全域で自転車道を整備するなどして、愛媛県が「サイクリング・パラダイス」となることを目指す取り組み。日本マイクロソフトは、ICTの利活用促進を通して愛媛県内の地域活性化や情報リテラシーの向上支援で1月に愛媛県と覚書を締結。愛媛マルゴト自転車道の推進をICTの側面から支援するという。

中村時広氏
愛媛県知事 中村時広氏

 愛媛県知事の中村時広氏は「愛媛県は約3年前にサイクリストの聖地になることを目指し、県内に上級者と中級者向けで11コース、ファミリー向けで15コース、合計26コースのサイクリングコースを用意した」と解説、以下のように続けた。

 「四国と本州をつなぐ橋にはそれぞれ特徴があるが、しまなみ海道は自転車の専用道を持っているという特徴がある。本州までの間に3種類の橋があり、橋梁技術を知ることにもなり、絶景を楽しむことができる。道路は自動車のためだけなく、歩行者のためであり、そしてサイクリストのためである。愛媛県では自動車や歩行者、自転車がお互いに思いやりをもった利用を提案する条例を作っている。自転車の新たな文化を提案したいと考えており、健康や生き甲斐、友情を育むことができる。10月26日には、広島県と協力して日本最大級の国際サイクリング大会である“サイクリングしまなみ”を開催する。今回の日本マイクロソフトの支援で愛媛マルゴト自転車道サービスサイトの活用を促進したい」(中村氏)

樋口泰行氏
日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏

 日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は「2009年から開始した地域活性化協働プログラムは、これまでに11自治体に提供してきたが、12番目の自治体として愛媛県で展開する」と今回の取り組みの背景を説明した。

 「これまでのプログラムはお悩みを解決することが中心だったが、今回は、前向きでポジティブな取り組みとなる。サンフランシスコやロンドンで活用している住民連携ソリューションをもとに展開したものであり、サイクリングがもたらす健康や生き甲斐、友情をさらに活性化できる。サイクリングライフも豊かになるだろう」(樋口氏)

 愛媛マルゴト自転車道サービスサイトでは、愛媛マルゴト自転車道の全26コースの紹介と、県内、海外を含む県外から集まる初級者から上級者までのサイクリストに情報を提供する。コースごとの全体図や高低図、走行動画、グルメ、景観ポイントなどのおすすめ情報を地図情報サービスとして提供する。サイクリストや県民からのフィードバック情報を、県が作成するブログやYouTube、Facebookなどのソーシャルメディアサイトへ自動的に再配信する利用者参加型情報サービスで誘客と地域活性化につなげる考えだ。

 PCでは、HTML5に対応したブラウザで閲覧できるほか、スマートフォン向けにはAndroidアプリを提供。今後、iOS版も提供していく考えだ。

大橋大樹氏
NTT西日本 愛媛支店 支店長 大橋大樹氏

 サイクリストや外国人観光客がサイクリングコースの観光地や休憩所など約150カ所でサイトを利用できるように、NTT西日本愛媛支店が、NTTメディアサプライが提供する「DoSPOT」を配備。自転車道周辺をはじめとする愛媛県内へのWi-Fi化を推進する。対応デバイスや契約キャリアを問わず、無料で利用できるようにしており、1回最大15分間、1日4回まで利用できる。フレッツ・スポット契約者は時間制限なく利用できる。

 NTT西日本 愛媛支店 支店長の大橋大樹氏は「地方の観光地でネットワーク環境が整備されていないという状況がある。格安のSIMユーザーは1300万人に達しているが、動画配信や視聴には課題がある。“えひめFreeWi-Fiカード(仮称)”を用意するとともに、誰でも簡単に使いたくなるという観点からサービスを提供する」とした。

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