消費者に広告を届ける手段として、従来より一般的に利用されている紙やテレビといった媒体以外にも、電子メール、動画、写真、SNS、ブログなど、いわゆるインターネットを利用した方法が、ますます身近になっている。しかし手段が変わっても、重要なのは「コンテンツ」であることには変わりない。魅力的なコンテンツがあってこそ、広告を見てもらえるチャンスが増す。では「魅力的なコンテンツ」を提供するには、どうするのが良いか。「編集者」になったつもりでコンテンツを考えよ、と本書の著者は言う。
本書は、コンテンツマーケティングの基礎を始めとして、どのようなコンテンツを作るのが良いか、どのようなチャネルを利用するべきか、コンテンツと広告との関係、コンテンツの作成方法など、コンテンツマーケティングに関して必要なことが網羅されている。数多くの事例を交えながらも、単に事例を紹介するだけにとどまらず、そこで使われた手法の解説や、長所と短所の分析まで、詳細に掘り下げられており、企業やマーケターにとって、今後の方針を決定する際の貴重な資料になることは間違いない。また、この日本語版の「Chapter27」には、日本のコンテンツマーケティングの事例も追加されているのも、本書の価値を高めている。
さらに、手順を把握できていない段階では特に参考になりそうな、編集カレンダーを利用したコンテンツ制作のワークフローや、コンテンツの分析やPRに利用できるツールやサイトの一覧なども提供されている。企業のPR担当者やマーケターはもちろん、スタートアップやアクセス数をアップさせたい個人ブロガーにも参考になる内容ではないか。
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