アプリのダウンロード意向、スマホ利用開始後4カ月で急減

 ニールセンは8月28日、「スマートフォン・メディア利用実態調査レポート」(6月版)をもとにスマートフォンユーザーのアプリ利用実態をまとめ、発表した。スマートフォンのOSの種類や利用経過期間、利用者の性別年代によって、ユーザーのアプリ利用傾向が異なることが分かった。

 スマートフォン利用経過期間ごとに回答者を分け、「1カ月以内に5個以上無料アプリをダウンロードした人」の割合をみると、AndroidユーザーとiOSユーザーのどちらも、利用開始後ゼロ~1カ月で最も割合が高く、その後4カ月目までに急減し、その後は比較的横ばいに推移することが明らかになった。

 iOSユーザーとAndroidユーザーを比較すると、すべての期間でiOSユーザーの方がAndroidユーザーよりも10~20ポイント程度割合が高く、全体的にiOSユーザーの方がアプリのダウンロード意向が高いことが分かった。

 アプリをダウンロードする基準をみると、Androidユーザーでは90.1%、iOSユーザーでは85.0%が「無料のアプリであること」を一番の選択基準としており、利用OSを問わず、有料アプリに対する心理的な障壁が高いことがわかる。

 Androidユーザーでは「信頼できるマーケット(アプリストア)で公開されていること」がiOSユーザーと比較して10ポイント高く、iOSユーザーでは「★の数などユーザーの評価が自分の中の基準を満たしていること」「ランキングで上位にランクされているアプリであること」「ダウンロード件数が多いこと」といった、アプリストア内で示されている情報に関連する項目の回答割合がAndroidユーザーに比べて高くなっている。

 Androidユーザーにとっては、アプリをダウンロードするアプリストア自体が信頼できるかどうかが比較的重要な選択基準となっている。一方のiOSユーザーはアプリストア内の情報をより参考にしている様子がうかがえる。

図 性別年代とダウンロードするアプリの選択基準の関係(出典:ニールセン)

 ダウンロードするアプリの選択基準を性年代別に分析すると、女性は男性と比べてすべての年代が「周りの友達が薦めてくれた」や「周りの友達が既に利用」といった“友達の評価”に関する項目に近い位置にあり、アプリの選択時により友達の評価を選択の基準にする傾向があるのに対し、男性は女性と比較して、より“アプリストア内の評価”や“メディアでの評価”を選択基準にする傾向があるようだ。

 年代別に注目すると、男女とも若い年代では“友達の評価”や“アプリストア内の評価”など、ユーザーの評価を選考の基準にする傾向があるが、年齢が高くなるにつれて“アプリストア自体の評価”や“メディアでの評価”に関する項目を重視することが分かった。ニールセンのシニアアナリストである西村友博氏が以下のようにコメントしている。

 「ユーザーはスマートフォンの利用開始直後に最も積極的にアプリを試し、ゼロ~4カ月の間に自分なりの使い方を確立している様子がうかがえる。換言すれば、いったん自分なりの使い方を確立すると、他のアプリを利用する機会は極端に少なくなる。サービスを提供する側にとっては、アプリをより多くの人に使ってもらいたいと考えた場合、スマートフォンを使い始めて間もないユーザーへのアプローチは有効な手段となりそうだ。一方で、スマートフォンを使い慣れたユーザーに対しては、性年代に応じてコミュニケーションを変えていくのが有効だろう」

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