営業拒否で「食べログ」の点数を強制リセット?--「関係ない」とする人気店も

 カカクコムのグルメサービス「食べログ」において、一部の店舗から「食べログの営業を拒否したところレビュー点数がリセットされた」などの声がTwitterで上がっており、大きく拡散されている。

 ツイートでは、「うちの会社でやってる店が、いきなり食べログ3.0にリセットされた。理由は、食べログの契約更新で、食べログ側が押し付けてきた物を部分的に断ったから」「食べログ側が出してきたものを使わないと、検索順位も影響を出すとまで言ってきたらしい」と、ツールの導入を盾にレビュー点数や検索順位に手を加えると言われるケースがあったとしている。

 この点についてカカクコムの広報担当者に確認したところ、「点数の変更は、口コミ投稿がない場合でも、アルゴリズムの全体的な見直しにより、全店舗を対象に点数が変動することがある」としている。

 アルゴリズムの変更は定期的に実施されており、9月6日にも全店舗を対象に点数を見直しているという。ツイートしたオーナーは「点数が下がった」としているが、カカクコム側では「点数が上がっている店も多数ある」としている。

 また、「食べログのネット予約を使わないと検索の優先順位を落とす」と、営業担当から言われたとするツイートについては、前提として「(揺さぶりをかけるなど)そのような事実は一切ない」とした上で、「ネット予約を使うことで順位が優先されるのは、広告枠(標準ソートの検索結果)の中での話」としている。

 カカクコムでは、9月7日に食べログのレストラン向け広告商品の改定を発表。オンライン予約が可能な店を、検索結果の広告枠において優先表示する仕組みを10月から導入するとしている。また、自然検索で表示される点数およびランキングについては、オンライン予約機能の利用にかかわらず、これまでと同様に表示するとしている。

オンライン予約に対応する店舗の検索順位を、広告枠において優先するとする広告商品改定のリリース
オンライン予約に対応する店舗の検索順位を、広告枠において優先するとする広告商品改定のリリース

食べログTOP5000のオーナー「無料会員&全営業拒否でも影響なし」

 営業拒否による点数改ざんの可能性は、本当にあるのだろうか。TOP5000に入り、3.70の点数を持つ「銀座魚勝」のオーナーは、「有料店舗か無料店舗か、オプションをどれだけ契約しているかは点数に関係ないと思います」と語る。

 食べログは、無料ユーザーと有料ユーザーがいるのと同様に、店舗も無料店舗と有料店舗に分かれる。

 「うちの店舗は無料会員なので、やはり『有料店舗にならないか』『食べログで予約管理しないか』などと営業されますが、すべて拒否しています。点数は5月に3点台後半のスコアをいただきましたが、その後、7月半ばに一度下がり、9月6日にまた上がりました。同じく営業を拒否している友人の別店舗でも同様の変動がありました」と、アルゴリズムの変更と見られる数値の変動があったと証言する。

 点数の算出方法について、「食べログの総合点は、“サクラ”を仕込めないよう、レビュアーすべての平均点で算出していません。いろいろなお店を見ていただけたら分かると思いますが、たとえば平均すると3.8くらいになるのに点数は3.2といったお店はたくさんあるのです。経験から言うと、信頼されているレビュアーがレビューを書くと、0.1から0.3ほど上がります。レビュアーは、レビュー件数が少ない人はもちろん、フォロワーが少ない人、“ステマ”のような行動を取っている人は、いくら点数をつけても反映されず、逆にまじめに食べ歩きしているユーザーや、フォロワーが多いユーザーの点数は反映されやすくなっていると思います」と語る。

 また、新たに信用度がアップしたレビュアーの持ち点(総合点に影響する割合)が増えたために、数値が押し上げられることがある一方で、もしステマをしたレビュアーが見つかり、そのレビュアーによる評価が無効となった場合は、ステマと関係なく普通にレビューした店舗への評価もすべて無効となり、数値が変動することがあるという。

 今回のリセットされたとするツイートに対しては、そういった経験を踏まえ、「リセットされたわけではなく、“上げ底”が外れただけではないでしょうか」と、私見を述べた。

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