中古ブランドのフリマアプリ「スマオク」、海外出品が可能に--4つの壁を解決

 ザワットは5月16日、同社が運営するCtoCブランド品オークション「スマオク」において、越境ECへの出品対応を開始すると発表。また同日より、スマホアプリで世界に商品を販売できる「SMAOKU(思慕客)-スマオク越境版」を公開した。当初は、日本、米国、台湾、香港、シンガポールの5カ国の言語と通貨に対応し、2016年中に1億円以上の流通高を目指す。

越境ECへの出品対応を開始
越境ECへの出品対応を開始

 2013年11月から約2年半ほどスマオクを提供してきたザワット。ダウンロード数はまだ公開していない。同社代表取締役社長の原田大作氏は、国内のフリマアプリでの日常品売買に関しては「メルカリ」が圧倒的に勝っているが、ブランド品を売買するユーザーとは層が違うと話す。

 「ブランド品などの高額品については、フリマよりもオークションが向いているが、一般個人はそんなに多くのブランド品を持っていない。スマオクには、メルカリで安価に出品された商品を仕入れて、ヤフオク! やアマゾンで売るようなセドリなどで本格的に稼ぎ出している、いわゆるスモールBの個人ユーザーが多い」(原田氏)。

 その中で、なぜ越境ECを開始したのか。同社が国内版の買い手ユーザーを分析したところ、在日外国人がブランド品をスマオクで購入し、WeChatやFacebookで海外の友達に転売する、いわゆる“ソーシャルバイヤー”が一定数おり、1人あたりの取扱高も高かったという。しかし、日本人が世界に売れるツールはebayくらいしかなかったため参入を決めたと説明する。

越境ECの4つの壁を解決

 同社によれば、日本のリユース市場の規模は約2兆円(2014年)と世界トップクラスの市場規模で、世界中から日本の商品を購入したいというニーズがあるという。しかし、日本人が売る際には、外国語が必要な海外のマーケットプレイスや、中間マージン手数料が高い海外転売サイトを利用するしかない。そこで、越境ECの壁となる、「言語」「物流」「決済」「運営」の4つの壁を解決するとしている。

5カ国の言語に対応 5カ国の言語に対応
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 スマオクの越境EC出品対応では、日本語で国内版スマオクに出品するだけで、自動的に世界に販路を広げられるという。買い手とのコミュニケーションについても、自動翻訳機能や商取引に必要な会話テンプレート集を読み込める仕様になっており、日本語のみでストレスなく取引を完了できるとしている。今後は人工知能によって機械学習させ、商取引における話題の99%をサポートできるようにする。

 また、越境ECの物流では、外国語での税関申告書類の作成や通関の知識などが煩雑で難しく、参加障壁になっていた。そこでスマオクでは、インボイスの自動作成サポートや、同社の国内契約倉庫に商品を発送するだけで商品を転送配達できる「らくらく海外転送サポート」を提供。出品者のニーズに合った手段を包括的にサポートする仕組みにより、誰でも簡単に海外発送できるようにした。

 さらに、海外のマーケットプレイスは外貨建てで決済するものが多く、値付けに為替リスクを考慮する必要があった。スマオクでは、すべて円建てで決済されるため、為替変動の影響を受けず、原価割れなどのリスクはないという。初期はVISA、MasterCardでのクレジットカード決済に対応しており、順次拡大予定。

 スマオク国内版と越境版は異なるアプリとして提供するが、リアルタイムで在庫連動しているため、利用にあたっての特別な追加運用は発生しない。スマオク国内版アプリのマイショップページで、海外販売をONにするだけで自動的に販路が広げられるという。

台湾でのPRの様子
台湾でのPRの様子

 なお、同社では5月15日、台北の西門町でSMAOKUのPRを開始。歌手の夏宇童さんによる、リアルオークションとSMAOKUライブオークションを実況中継した。今後は日本国内でも、オークション生放送を展開予定。

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