グーグル自律走行車、走行システムが運転者--米政府、自動車安全基準の適用方法を明らかに

Wayne Cunningham (CNET News) 翻訳校正: 編集部2016年02月12日 08時26分

 Googleの自律走行車プロジェクトのディレクターを務めるChris Urmson氏は米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に対し、同社が提案する自律走行車がどうすれば米連邦自動車安全基準(FMVSS)を満たせるかを明らかにしてほしいと求めたようだ。FMVSSは、米国市場向けに自動車を設計する際に自動車メーカーが順守する必要のある規則である。

 NHTSAは、詳細な回答を同局のウェブサイト上に掲載した。この回答からは、ハンドルなどの従来型の運転制御手段を持たないコンピュータ制御の車両に対してFMVSSがどのように適用されるかについてGoogleが懸念していたことがうかがえる。Urmson氏は、NHTSAがFMVSSをGoogleの車両にはまったく適用されないと解釈するか、従来の解釈を求めて前部座席左側に運転者がいると想定するか、あるいは、車両を制御するシステムを運転者とみなすかを提案した。

 NHTSAは書簡の中で最後の案を採用し、FMVSSの目的においては自律走行システム(SDS)が運転者であるとみなすことを決定した。

 SDSを運転者とみなすという決定に基づき、NHTSAの書簡では、FMVSSの各項の適用方法を説明している。例えばNHTSAでは、ブレーキペダルが運転者からアクセスできる位置にあることが求められている。SDSが運転者であるとすれば、ブレーキアクチュエーションは電子制御を介してアクセス可能であるため、FMVSSに準拠していることになる。

 全般的に、NHTSAの決定はGoogleに好都合な形に収まり、同社は意図していたとおりに自律走行車の設計を進められそうだ。ただし、Google車両による公道の走行に対しては、個々の州の規則がまだ適用されることになる。

NHTSAは、グーグルの自律走行車の設計において、同車に搭載されるコンピュータを運転者と見なす決定を下した。
NHTSAは、グーグルの自律走行車の設計において、同車に搭載されるコンピュータを運転者と見なす決定を下した。
提供:Wayne Cunningham/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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