クラウドベースの会計サービスを提供するFreshBooksはカナダで現地時間12月2日、スマートフォン経由でクレジットカード決済を受け付けられる機能を小売業者に提供するモバイルカードリーダーの提供計画を発表した。FreshBooksのカードリーダーは、モバイル決済を手がけるSquareが開発したドングルに似ており、スマートフォンのオーディオジャックに差し込むとその場で決済を受け付けられるようになる。
このカードリーダーはFreshBooksが提供する初めてのハードウェアだ。
FreshBooksはこのカードリーダーを小売業者に29ドルで提供し、さらにVisaとMasterCardの1回の決済につき2.7%と0.30ドル、American Expressの1回の決済につき3.4%と0.30ドルを課金する予定だ。これに関しては、FreshBooksのサービスはそれほど魅力的ではない。同社の料金は、Squareや市場のほかの複数のモバイル決済オプションより大幅に高いからだ。FreshBooksのカードリーダーは、磁気ストライプカードとセキュリティ重視のEMVチップカードの両方を受け付けることができる。
これまで中小企業向けのインボイス作成や時間追跡、支出管理のツールを中心に手がけてきたFreshBooksにとって、熾烈な競争が繰り広げられるモバイル決済への進出は、実はそれほど大きなリスクではない。安価なハードウェアであるカードリーダーは、既にFreshBooksのソフトウェアを利用している小売業者に追加機器として提供することが可能であり、今後、その決済とインボイス作成の組み合わせに顧客が魅力を感じる可能性さえある。
FreshBooksの米国における最大のライバルは、Intuitと中小企業向け管理ツール群で構成される同社の「QuickBooks」エコシステムだ。Intuitはかなり前から「GoPayment」モバイル決済ドングルを提供しており、先頃、カードリーダーをアップグレードしてEMVに対応している。IntuitはSquareと提携もしており、Squareで処理されたすべての決済を自動的にQuickBooksエコシステムにインポートする機能を小売業者に提供している。
販売および取引データを会計およびインボイス作成ツールと組み合わせることに利点があるのは明白だ。FreshBooksのケースだと、カードリーダーは、FreshBooksのより広範な会計および決済製品に直接接続する完全統合型のPOSシステムを同社にもたらす。最大のセールスポイントは、決済が処理されるたびに、インボイスとレポートをリアルタイムに同期させることが可能なことだ。
FreshBooksのカードリーダーは米国で2016年前半に提供が開始される予定だが、同社はそれに先だって先行アクセスに申し込むよう中小企業に呼びかけている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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