Airbnb、日本での「時代に合った法整備」求める--民泊の経済効果をアピール - (page 2)

問題視されるトラブルや法整備は

 こうした、Airbnbならではの体験や価値がある一方で、トラブルや法整備の問題もある。日本では宿泊料をとって人を泊めてしまうと「旅館業法」に抵触するため“グレー”な状態であり、今後の規制緩和の有無が普及に大きな影響を与えるとされている。また、ゲストと近隣住民とのトラブルを避けるために、Airbnbを使用禁止にしているマンションなどもある。

 この点について田邉氏は、Airbnbでは「安全性と衛生面にはかなり気をつけてきた。ちゃんと使いたい人だけに使ってもらいたいので、あえてちょうどいい摩擦を残している」と話す。まず安全性については、電話番号やメールアドレスのほか、FacebookやLinkedInとのアカウント連携、パスポートや免許証の提示などによる本人確認を徹底していると説明。

 また、ホストとチャットでやり取りしなければ予約できないようにし、問題のあるゲストはホストが宿泊を拒否することもできる。さらに、宿泊後にはホストとゲストが相互にレビューしあうことで、信頼性を担保しているとした。もし、レビューで直接書きづらいことがあれば、運営を通じて相手にだけ伝えることもできる。さらに、約250人の専門部隊がウェブサイトでのユーザーの動きを24時間監視しているという。

  • ゲストとホストが相互評価することで信頼性を担保

  • トラブルの際の補償制度も設けている

  • 2015年夏は1700万人が宿泊し、緊急対応した件数は300件

 トラブルの対策として、物件が破損してしまった場合などには、Airbnbが最大1億円まで補償する制度を導入。11月からは事故などによってゲストが怪我をした場合に、最大100万ドルを補償する「ホスト補償保険」の提供も開始した。こうした取り組みの結果、夏に約1700万人が利用した際に発生した緊急対応は300件程度で、「比率にすると0.002%。実際に大きなトラブルはほとんどない」(田邉氏)とした。

 ただし、日本でも少なからず民泊によるトラブルは起きている。この点についてオーギル氏は、サービスのローカル化が重要になると話す。また、日本の旅館業法は1948年に定められたものであり、Airbnbを始めとする民泊サービスが急成長している現代には適していないと指摘。米国や英国のように時代に即した法整備をし、「個人が複雑な手続きなしに、貸し出せるようにするべきだ」と訴えた。


Airbnb アジア太平洋 公共政策ディレクターのマイク・オーギル氏

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