リクルートと日本MS、不動産検索サービスを開始--「SUUMO」と「Bing Maps」を連携

井指啓吾 (編集部)2015年05月25日 17時51分

 不動産ポータルサイト「SUUMO」などを手掛けるリクルート住まいカンパニーと日本マイクロソフトは5月25日、住宅・不動産検索サービス「Bing不動産」を開始した。マイクロソフトの地図プラットフォーム「Bing Maps」の技術とSUUMOの物件情報を統合し、地図上に物件情報を掲載する。当初はPC版のみ提供。両者の収益の分配方法などは明かさなかった。

  • 日本マイクロソフト アドバタイジング&オンライン統括本部 マーケティング部部長 佐藤賢氏

 マイクロソフトはBingのプラットフォーム戦略を推し進めている。「検索」に加えて「音声認識」「翻訳」「画像認識」「地図」のAPIを公開しており、今回は地図(Maps APIs)の販売を拡大するための事例作りの一環として、リクルート住まいカンパニーと組んだという。なお、Maps APIsの詳細を説明する「Bing Maps for Enterprise」の日本語ウェブサイトを5月26日に開設するとしている。

 Bing不動産の基本的な設計思想は「物件探しに関わる多くの作業を単一のユーザーインターフェース上で完結すること」で、物件に関するさまざまな情報が地図上に表示されるのが特徴。たとえば、「コンビニから50mの物件」の所在位置が、国道を横断した反対車線側なのか、あるいはコンビニと物件が同じブロック内に位置しているのかなどを地図上に表示し、ユーザーが物件周辺の環境を具体的なイメージを持って確認できるように工夫した。

 画面下部に配置されたスライダーを使い、「価格」や「専有面積」を選んで地図上に表示する候補物件を動的に変更できる機能や、物件を探す際に有益な付加情報を地図上にオーバーレイで「重ねて」表示できる機能などもある。オーバーレイ機能はサービス開始時点では、「用途地域」「地価公示価格」の表示が可能。今後、周辺地域の平均賃料をヒートマップとして表現する機能などを追加していく予定という。

  • 「Bing不動産」画面イメージ

 地図を主体とした特徴を生かして、今後、物件探しの新たな手法を提案していく考えだ。第1弾として、物件検討の主要な意思決定者が複数いる場合に、さまざまな条件付けから両者の“落としどころ”となりそうな候補物件を提示する機能「パワーバランス検索」(仮称)を2015年後半に実装する予定としている。

 住宅・不動産検索サービスは国内に複数存在している。Bing不動産の強みとして、日本マイクロソフト アドバタイジング&オンライン統括本部のマーケティング部部長である佐藤賢氏は「Bing不動産ほど『地図から物件を探す機能』に特化したサービスはないと認識している。他社のサービスは従来のリスト検索の補完機能として備わっている。視認性を重視したUIと、直感的な操作を追求した」と説明。Maps APIsの今後の展開として、「レストランやトラベルの領域での外部連携も検討していく」と見通しを語った。

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