ユーザー数で世界最大のストリーミング音楽サービスを提供するPandoraは米国時間5月19日、音楽解析を手がけるNext Big Soundを買収することで合意したと発表した。アーティストと音楽レーベルに向けた新たな「鳴り物」として、データの蓄積によりPandoraが価値あるパートナーになることを示すものだ。
Pandoraは、買収の条件は機密事項だと述べた。ニューヨークに拠点を置くNext Big Soundは、20人超の従業員を擁する。
この動きは、Pandoraに対するレコード業界の認識を、腹立たしい存在から友人に転換させようとする同社の最新の試みだ。Pandoraは、米国、オーストラリア、ニュージーランドでしかサービスを運営していないが、その人気の高さから、音楽業界にとって世界トップクラスのストリーミング売上高を生み出している。3月末の時点でPandoraのアクティブリスナー数は8000万人近くだったのに対し、Spotifyの全会員数は6000万人だ。ただし、レーベル各社が将来の大きな収入源になる可能性が高いとしてストリーミング音楽に好意的であるとしても、Pandoraは、レコード業界の反感を買ってきた経歴を克服するのに苦労している。
Pandoraはさらに、同社サービス上で広告を出しているブランドにも、Next Big Soundの能力を適用できると述べた。Pandora自体の売上高の大半は広告から生み出されているため、今回の買収は自らの収益力を強化する動きでもある。
2009年に設立されたNext Big Soundは、音楽データを解析することで、音楽業界がソーシャルメディアと売上高の関係を把握したり、新規リリースやテレビ出演のようなマーケティングやプロモーションイベントの効果を測定したり、高い潜在能力を持ったアーティストを早期に発見したりできるよう支援している。
Pandoraの最高経営責任者(CEO)を務めるBrian McAndrews氏は、Pandoraの聴取データとNext Big Soundの解析能力の組み合わせが、重要な情報源を創造するだろうと述べた。Pandoraは、インターネット上で現在利用できる最大のストリーミング音楽サイトとして(「YouTube」は除くとしよう)、オンライン聴取習慣に関するデータの蓄積で独走している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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