LINEに続く「企業と消費者の接点」目指す--フェリカが“ソーシャルカレンダー”事業

井指啓吾 (編集部)2015年02月23日 16時07分

 ソニー系のフェリカネットワークスは2月23日、新事業のプロダクトであるスケジューラ(カレンダー)アプリ「つなガレ!」を公開した。提携企業の新製品/セール情報などをカレンダー上に掲載して成果に応じた広告料を受け取る仕組みで、ユーザー(消費者)にはアプリを無料で提供する。2015年度内にダウンロード数100万件を目指す。

  • 「つなガレ!」開発チームの、フェリカネットワークス事業開発部長の竹下直孝氏

 消費者はID/パスワード入力による会員登録が不要。サービス内で使うニックネームを入力することで、予定を登録できるようになる。登録した予定は、LINEの“友だち”のアカウントや電話帳に登録されているメールアドレスを利用して、家族や友人と共有可能。共有した予定の詳細を更新した場合にはプッシュ通知で知らせることができる。なお、共有した相手がつなガレ!を利用していない場合には、新たにインストールする必要がある。

 企業が発信する情報を見るには、「ショッピング」「トラベル」など8つのカテゴリから各社のチャネルを選び“フォロー”する。これにより、自分のカレンダー上に“予定”として表示され、家族や友人と共有できるようになる。

 同社では、中長期的には老若男女の幅広い層によるアプリの利用を想定しているが、当初は主婦層を主要ターゲットに据える。そのため、過去の予定と連動して、スマートフォンに保存された写真データをもとに、BGMやテロップを自動で挿入してスライドショー形式で再生する「思い出ムービー」機能も搭載した。ビジネス用のスケジューラではなく、プライベートを管理するためのアプリとしての定着を狙う。


 事業者向けには当初、無償トライアル期間を設ける。第1弾として、アサヒ飲料やエイチ・アイ・エス、凸版印刷など20社と組み、つなガレ!に適した情報発信の仕方を探る。飲食店などに同社の非接触ICカード「FeliCa」を内蔵した専用チラシを置き、スマートフォンをかざすだけで企業をフォローできる仕組みも考えているという。

 有料化は秋頃をめどに開始する予定。同社事業開発部長の竹下直孝氏によれば、料金などは未定だが、フォローされている人数によって金額を変えるなど、企業ごとにカスタマイズする構想があるという。「導入の敷居を下げて、大手企業だけでなく、地方の中小企業などなるべく多くの企業に使ってもらいたい」(竹下氏)。

 情報発信の場としてTwitterやFacebook、LINEを活用する企業は多い。フェリカネットワークスは今回、日常生活で利用頻度の高いスケジューラアプリの形をとることで、これら既存3サービスに次ぐ“企業と消費者の接点”となる新たなプラットフォームを築きたい考えだ。

 「つなガレ!は、企業が既存媒体で発信している情報を共通フォーマットに統一し、未来の情報をカレンダー上で予告的に発信できる強みがある。これはソーシャルメディアと相対するものではなくて、情報を補完しあえるものだと思っている。既存サービスと肩を並べる気持ちで取り組んでいきたい」(竹下氏)。

 なお今後、ソニーが開発するリストバンド型端末「SmartWatch」や、透過式メガネ型端末「SmartEyeglass」などのウェアラブル端末との連携も想定しているという。


左から、フェリカネットワークス事業開発部2課長の大濱基宏氏、竹下直孝氏、事業開発部1課マネジャーの小川央氏

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