アマゾン、映画を独自製作へ--劇場公開後1〜2カ月でネット配信

Rich Trenholm (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)2015年01月20日 11時44分

 Amazonは、ドラマだけでなく映画の製作にも乗り出すようだ。製作した映画は、劇場で公開してからストリーミングサービスの「Prime Instant Video」で配信するという。

 Amazonは2010年にAmazon Studiosを設立し、Prime Instant Videoで独占配信する新しい番組の製作や資金提供を開始した。その目的は、映画やドラマのラインナップを増やし、Prime Instant Videoの登録ユーザーを増やすことにある。だが、Amazonはこれまで、ライバルであるNetflixの後塵を拝してきた。Netflixは、Kevin Spacey主演の「ハウス・オブ・カード 野望の階段」といったオリジナル番組を製作しており、さらに長編映画を手がける計画をすでに発表しているからだ。しかし、Amazonは「Transparent」がゴールデングローブ賞を獲得するという大きな勝利を収め、Prime Instant Videoで公開したパイロット作品からユーザーの評価が高いものを選んで製作するという手法を軌道に乗せている。

 そして今回、Amazonは大型スクリーンに目を向け始めた。同社が製作する映画は、米国で、劇場公開から4〜8週間後にPrime Instant Videoでストリーミング配信される予定だ。

 Amazonは、「Amazon Original Movies」と呼ばれるこの取り組みで、「トップクラスそして有望なクリエーター」が製作する「ユニークなストーリー、声優、キャラクター」の作品を中心にすると述べている。これが意味するのは、スタンダードなハリウッド映画とは少し異なる映画の製作を中心にするということだろう。

 ストリーミングサービスが持つ大きな強みは、ユーザーが見た作品、ユーザーが求めるスター、ユーザーが視聴をやめたタイミングについて、正確で膨大なデータを持つことだ。特にNetflixの場合は、これが実に強力な秘密兵器となっており、ハウス・オブ・カードといった番組の全編製作を依頼するという決断ができる一方、テレビ会社はパイロット番組を試すことでリスクを回避できる。

 Amazonは最初の作品について明らかにしていないが、2015年中に製作を開始する予定だ。また、1年間におよそ12本の映画を手がけることを目指しているという。Amazonでは、これらの作品は映画館向けとなる予定であるが、各作品の上映が実現するかどうかは、映画館チェーン側の判断次第であり、作品のチケットが本当に売れると映画館チェーンが感じるかどうかにかかっている。

 Amazon Original Moviesで製作活動を指揮するのは、「アメリカン・スプレンダー」や「マクマレン兄弟」を製作したTed Hope氏になる予定だ。

提供:Steve Granitz/WireImage/Getty
ゴールデングローブ賞の受賞を祝うAmazon製作番組Transparentのキャストとスタッフ。
提供:Steve Granitz/WireImage/Getty

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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