グーグル、「忘れられる権利」対応に苦慮--現状は「学習過程」

Rich Trenholm (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)2014年07月07日 11時01分

 「忘れられる権利」がGoogleにとって「難しい」問題であることが分かってきた。同社は、「前進しながら学んでいる」と認めている。

 「忘れられる権利」は、欧州連合(EU)が法制化した権利で、古い個人情報をオンラインの検索結果から削除するよう本人が申請できるというものだ。「Google」や「Bing」のような検索エンジンに対して、古い情報や不適切な情報(根も葉もない非難や不当な逮捕など)に関するオンライン記事や投稿を検索結果から削除するよう、誰でも請求することができる。

 Googleで欧州担当のコミュニケーションディレクターを務めるPeter Barron氏は、現状を「学習過程」と説明している。BBC Radio 4の番組「Today」に出演したBarron氏は、BBCの経済担当編集者Robert Peston氏との論戦で、Peston氏が書いた記事の1本が、先日Googleの検索結果から削除されたとの指摘を受けた。Peston氏は、Googleから削除通知のメールを受け取った。

 2007年に書かれたその記事は、銀行幹部のStan O'Neal氏を批判した記事であることから、Peston氏は、検索結果からの削除を求めたのが、この記事で俎上に載せられたO'Neal氏だと推測していた。だが、O'Neal氏はこれを否定していることから、実際には、記事についてコメントした誰かが削除を要請したようだ。

 「苦情を申し立てたのがO'Neal氏だとPeston氏が考えるのもいたって当然だ。そういった点に、われわれも今後目を向けていく。おそらく、『苦情を申し立てたのは、あなたが考えている人物ではない可能性があることを心に留めてほしい』と言えるだろう」(Barron氏)

 記事の削除を要請したのがO'Neal氏ではなかったとしても、同氏の名前が再び知れ渡ったという事実は、現行の手続きがはらむ問題の1つを浮き彫りにしている。これは、「ストライサンド効果」の好例だ。ストライサンド効果とは、情報を隠蔽しようとする努力が、意図に反して、元の情報よりも注意を引く現象を指す。


提供:Shutterstock

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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