Twitterで本の“立ち読み”が可能に--KADOKAWAが開発、まずは専用サイトから

井指啓吾 (編集部)2014年07月02日 13時51分

 角川アスキー総合研究所とTwitter Japanは7月2日、Twitterのタイムラインで電子書籍が読める「Twitter ePubビューワー」を公開した。専用のコンテンツ配信サイト「Tw-ePub」から、コミックや書籍などのePubデータを埋め込んだツイートができる。同サイトではKADOKAWA以外の出版社の作品も掲載される。



 この技術に対応するのは、Tw-ePubのドメイン「tw-epub.com」に保存されたePubデータのみ。会員登録などは不要で、Twitterユーザーであれば誰でも利用できる。角川アスキー総合研究所によれば、コンテンツ配信サイトにオープン時点で2万点を超える作品の掲載依頼があり、順次対応しているという。

 7月中には、tw-epub埋め込みボタンの他サイトへの提供や、指定したページを表示できる機能の搭載を予定している。なお埋め込みボタンの提供価格は、無料か有料かという段階で検討中だという。

  • KADOKAWA取締役会長の角川歴彦氏

 KADOKAWA取締役会長の角川歴彦氏は、「どれだけの人が書店に足を運んでいるのかに問題意識を持っている」と話し、角川アスキー総合研究所による「紙の書籍の購入頻度調査」の結果を紹介。これによると、調査対象の1万3056人のうち約半数が、年に1度も紙の書籍を買っていない。

 また映画館についても、半数以上が1年に1度も訪れていないという。角川氏はこれに触れ、「大ヒット作『永遠の0』は、2年に1度映画館に行くような人を動員したところ、約80億円の興収を得ることができた。出版社がやるべきことは、(電子書籍の購読層を)書店に年に1度訪れる人の50%にまで持ち上げること、また電子書籍を年に一度も本屋に行かない人に電子書籍を読んでもらうこと。その問題意識を持つことが大事」と話した。

 「21世紀型の出版社はなんだろうと考えている。編集者が独りよがりに本を作ればいい20世紀型はもう終わった。今はどうやって読者の共感を得るか、感動を共有していくかが重要だ。今回のようなTwitterで本の感想をシェアする“ソーシャルリーディング”を実現することが、ビッグデータや集合知の時代には大事だと思っている」(角川氏)。

 この発表は、東京ビッグサイトで7月2日~5日まで開催されている「第21回 東京国際ブックフェア」の会場内で行われた。

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