米国時間5月14日に公開された「Firefox 21」では、Firefoxが論争の多い「Do Not Track(トラッキング拒否)」設定を実装する方法に変更が加えられており、より細かい設定を行うことが可能になっている。さらに、「msnNOW」を含むより多くのソーシャルネットワークのサポートや「Firefox Health Report」も同ブラウザに追加された。
2012年末に「Facebook Messenger」の統合とともに登場した「Social API」のオプションが増えており、Firefox 21はmsnNOWや「Cliqz」、中国の「Weibo」、日本のみの「mixi」とも連携できるようになった。それらのソーシャルネットワークがFacebookに対抗できるだけの規模を備えていないことは確かだが、それでもそれらのユーザーを合計すると莫大な数になる。Weiboに関するWikipediaのページによると、同サービスだけでも2012年中頃の時点で3億6800万人のユーザーがいたという。
ソーシャルネットワークを越えて拡大するSocial APIに関して、Mozillaは大きな目標を抱いている。Mozillaは今回のアップデートを発表するブログ投稿の中で、「Social APIはソーシャルネットワークや電子メール、ファイナンス、音楽、さまざまなクラウドの可能性、サービス、ToDoリスト、スポーツ、ニュース、そのほかのアプリケーションをユーザーのFirefox体験に統合する無限の可能性を秘めている」と述べている。
ほぼMessenger機能のみに限定されているFacebookの統合と同様に、MozillaはSocial APIの焦点を、ソーシャルサイトが提供するすべての機能を提供することではなく、ソーシャルネットワークの機能を限定的に提供することに合わせている。mixiの統合は、日本語を話すFirefoxユーザーをコメントおよび写真ストリームに接続する。MozillaはWeiboのどの機能がSocial APIサイドバーでサポートされるのかをまだ明らかにしていない。
msnNOWの統合は、FacebookやTwitter、「Bing」、BreakingNews.comから収集したトレンド情報をSocial APIサイドバーに表示する。Cliqzの統合も同じように表示される。人々や記事、トレンドを追跡するパーソナライズされたニュースストリームを作成し、ユーザーが記事を保存して後で閲覧することを可能にする。
Do Not Trackは、2011年に公開された「Firefox 4」で登場して以来、変わっていなかった。同機能は、ウェブサイトを訪れたユーザーがそのサイト内を閲覧したり、ほかのサイトへ移動したりするときに行動を追跡してはいけないという信号をそのウェブサイトに送信する。その信号に従うかどうかは、完全に任意である。FirefoxのプライバシーリードエンジニアであるSid Stamm氏によると、Do Not Trackの目標は、「サイトが追跡を支持しているかどうかに関係なく、個人が自分の望みを伝えるのを支援すること」だという。
これを受けて、Do Not Trackのオプションに、新たに3つ目の選択肢が追加されている。もともとは、トラッキングの許可か拒否のみの選択に限定されていた。しかし現在、「トラッキングに関する設定は一切サイトに通知しない」というオプションがデフォルト設定されており、Do Not Trackは無効になっている。
さらに、Firefox 21に新たに追加されたものとして、Firefox Health Reportがある。同機能は、システムのパフォーマンスへの負荷を最小限にするようFirefoxのカスタマイズ方法を改善するアドバイスを提供する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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