「Firefox OSが存在する余地は大いにある」--モジラCEO、MWCでアピール

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年02月27日 11時29分

 スペイン、バルセロナ発--Mozillaの最高経営責任者(CEO)であるChief Executive Gary Kovacs氏は現地時間2月26日、新しい「Firefox OS」を売り込む演説の中で、今後5年間のうちに20億人が新たにインターネットに接続することを考えると、新しいモバイルOSが存在する余地は大いにあると述べた。

 Kovacs氏は当地開催のMobile World Congress(MWC)ショーで数千人の観衆を前に講演を行い、スマートフォン市場を先導してきたのはAppleとGoogleだが、両社ですべてを網羅することはできないと語った。ただし、同氏はそれらの企業の名前は出さなかった。

 Kovacs氏は、「1社、2社、または5社の企業が30億、40億、50億、または60億人の多様なニーズを満たすだろう、という考えを私は理解できない。たとえそれらの企業がどれだけ優秀であったとしてもだ」と述べた。「インドの田園地帯で農業を営む人が、ニューヨークの弁護士と同じニーズと要件を持つだろうか」(Kovacs氏)

 ただし、Mozillaの前には巨大な試練が待ち構えている。Mozillaに有利に働いているのは、FirefoxがブラウザベースのOSだということだ。つまり、Mozillaがアプリを記述する大勢のプログラマーを集結させなくても、Facebookなどのウェブアプリケーションは既に同OSで動作する。

 しかし、そうした有利なスタートにも制約はある。モバイルブラウザでは、多くの静的なウェブページでさえも快適に動作しない。動的なウェブアプリを作るのは、それよりもはるかに難しい。ハードウェアアクセラレーションによる3Dグラフィックスといった新しいテクノロジは、有利に働くだろう。Mozillaはそれらの標準を進化させ、ほかのモバイルブラウザに広める取り組みを積極的に行っている。

 Mozillaは世界中の通信キャリア18社に加え、LG Electronics、Huawei(ファーウェイ)、ZTE、Alcatel、Geeksphoneなどのハンドセットメーカーを含む堅実なFirefox OSパートナーリストを構築している。それらのパートナーはFirefox OSを第2四半期に発展途上市場へ、そして2014年に米国へ投入する予定だ。

 iOSとAndroidのアプリ開発および配信エコシステムは強力だが、Kovacs氏はその強みに対抗するために、「そのためにウェブはある」というスローガンを立てた。同氏は、多くのモバイルアプリは単純に既にウェブで公開されているデータを再パッケージするだけだと述べ、その一例として、近くのレストランを検索してレビューをチェックし、メニューを閲覧して予約することを挙げた。

Mobile World Congress 2013でFirefox OSについて語るMozillaのCEOであるGary Kovacs氏
Mobile World Congress 2013でFirefox OSについて語るMozillaのCEOであるGary Kovacs氏
提供:Stephen Shankland/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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