Yahoo!掲示板に変わる新サービス「textream」--Facebookや2chとも差別化

 ヤフーは12月21日、新コミュニケーションサービス「textream(テキストリーム)」を公開した。「Yahoo!掲示板」に置き変わるサービスで、同日よりYahoo!掲示板の書き込み内容の同期を開始。併存期間を経て2013年初旬にtextreamへサービスを移行する。また、同じ期日を持ってフィーチャーフォン版のYahoo!掲示板はサービスを終了する。

 textreamは、ユーザーが自由にスレッドを登録して、不特定多数のユーザーと共通の話題でコミュニケーションできるサービス。利用にはYahoo! JAPAN IDが必要で、ニックネームやプロフィール画像を登録することで、匿名性を担保しながらも、ユーザー個人としての人格を持てるのが特徴だという。

  • 「textream」の利用イメージ

 リアルタイムでのコミュニケーションを重視しており、自身のコメントに他のユーザーがコメントしたり、登録したスレッドに新しい情報が入った際に、PCやスマートフォンにプッシュ通知を受けとれる。また他のユーザーのコメントには、良い・悪いの評価をすることができ、良いと評価されたコメントの文字は通常よりも大きく、逆に悪いと評価されたコメントの文字は小さく表示される。これにより、多くのユーザーが有益だと考えている情報を視覚的に確認しやすくなっているという。

 ヤフー メディアサービスカンパニー企画本部の武田智義氏は「Yahoo!掲示板は1998年から提供しているが、画面なども含めて当時のままになってしまっていた。またそれとは別に、チーム内でFacebookやTwitterではできない、新しいコミュニケーションサービスを作れないか模索していた」と語り、この2つの課題を解決するサービスとしてtextreamが生まれたと説明する。

 Yahoo!掲示板のユーザー数は2004年のピーク時と比べると3分の1程度にまで減少しているという。一方で武田氏は「(掲示板から)SNSにユーザーが流れても、テーマごとにしゃべれる場所の需要がなくなったわけではない」と語り、textreamであれば、実名によるリアルでの関係性が強いFacebookや、匿名性は高いが人格を持たない2ちゃんねるなどの掲示板とも差別化できるとする。

  • 左からヤフーの武田氏と八尋氏

 サービス開始に併せて、Yahoo!掲示板で約1800あったカテゴリは400まで整理統合。また今後は一部のカテゴリで、Yahoo! JAPANの公式のスレッドとなる「オフィシャル実況」を提供する。ヤフーが提供している「ニュース速報」「株式情報」「スポーツ情報」などと連携することで、ユーザーは株価やスポーツの試合の経過など、リアルタイムに更新される情報をもとにコミュニケーションできる。

 2013年の1月中旬からは海外サッカーの実況も開始する予定で、プレミアリーグ、セリエA、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガなど、全8つの海外リーグの全試合をテキストによって完全実況する。掲示板やTwitterでは、試合が盛り上がった瞬間などにコメント数が急増することがあるが、textreamでは途中から参加したユーザーでも状況が把握できるように、コメントの間に試合の速報などを差し込んでいく予定だ。

 さらに今後は、テキストに加えて画像や動画の投稿を可能にするほか、ユーザーがセミナーやイベントを実況できる機能も搭載する。ドワンゴが提供する「ニコニコ生放送」のように、テキストを使って目の前で起きていることを中継していくようなイメージだ。「これまでの掲示板では、たとえばニュースのスレッドを立てて、そのスレッドの内容を中心にやり取りすることが一般的だったが、textreamではユーザー個人が主役になって進めることもできる」(ヤフー メディアサービスカンパニー 事業推進本部の八尋俊二氏)

 スレッドに対して「賛成」や「反対」などの投票ができる感情グラフ機能も提供する。Yahoo!掲示板でも株式のスレッドではそれぞれの銘柄に対して、「売りたい」「買いたい」といった感情をつけて投稿できたが、今後はそれらの感情を集約し、どちらの意見が多いのかを視覚的にすぐに分かるようにするという。

  • 株価を見ながらリアルタイムに「売りたい」「買いたい」など感情を投稿

  • スマートフォン版のイメージ

 武田氏は「textreamは、掲示板を今の時代に作ったらどうなるかを本気で考えてできたサービス。掲示板と聞いても古いイメージに捕われず、使ってもらえると嬉しい」と語り、“人格を持った匿名”という独自の関係性、距離感で生まれる新たなコミュニケーションを楽しんでほしいとした。

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