「違う会社」というだけで話せない情報を共有したい--元客室乗務員の挑戦

岩本有平 (編集部)2012年11月27日 08時00分

 「最初に作ったのは、20人ログインすれば落ちるようなサービスだった」――客室乗務員向けの掲示板サービス「CREW WORLD」を運営するKoLabo代表取締役社長の駒崎クララ氏はサービスの立ち上げをこう振り返る。(編集部注:記事掲載時に、サイトが落ちる原因があたかもOpenPNEにあると受け取れる記述をしましたので上記の文章を修正しました。お詫びして訂正いたします。)

 CREW WORLDは現役客室乗務員および退職者を対象とした掲示板サービスだ。「ショッピング」「美容」など、7つの分野の掲示板を用意しており、ユーザーがトピックを立てたり、それに回答したりできる。

 サービスは完全招待制で運用する。既存ユーザーからの招待を受けた後、審査を経て利用可能となる。サイト上では個人は特定されないよう、ユーザー名などは表示しない。ただし所属する航空会社の拠点によって、アイコンの色を統一している。


KoLabo代表取締役社長の駒崎クララ氏

 これまでアシアナ航空の客室乗務員として7年半務めた駒崎氏。同氏によると、実は客室乗務員は会社間でのコミュニケーションが非常に少ないのだという。「せっかく入国審査で並んでいても、同じ航空会社の人とばかり話しがちなので、現地のファッションやコスメなどの情報についても、会社ごとにしか共有できていないケースがほとんど。それを安全で匿名の掲示板で解決したいと思った」(駒崎氏)

 そんな思いから、2012年に入ってサービスの提供を決心した。開発経験もなく、当初オープンソースのSNSエンジン「OpenPNE」を使ったサービスを企画したが挫折。その後、知人を経由して出会った外部エンジニアに開発を依頼し、6月にベータ版サービスを公開した。そして駒崎氏が前職を退職したことを契機に、11月からサービスを本格化させる。

 KoLaboの社員は現在駒崎氏1人。ビジネスプランコンテストの副賞だった開発者向けスクールに通いつつ、自身で開発を進めているという。資金調達の予定はなく、当面は自己資本でサービスを運営するという。

 CREW WORLDのユーザー数は現在約150人。まだまだ立ち上がったばかりだが、今後は国内にいる客室乗務員約3万人のうち1万人が利用するサイトを目指す。広告での収益化を図るが、「サイトに頼るだけではなく、退職した客室乗務員が活躍できる場を作るようなビジネスも手掛けたい」(駒崎氏)としている。

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