電子書籍とタブレット、iPadを中心にカテゴリのすみ分け進む

 ニールセンは7月27日、ソーシャルメディア分析サービス「BuzzMetrics」のデータをもとに新しく発表されたタブレット端末と電子書籍端末のクチコミを分析したレポートを発表した。対象となっているのは、ソーシャルメディア上でクチコミ数が5000件を超えた「Microsoft Surface」「Amazon Kindle」「Google Nexus 7」「kobo Touch」の4機種。

 これらのうち、6月1日~7月10日の期間中にクチコミ数が一番多かったのはKindleだった。6月26日に日本で近日発売するという予告報道を受け、1日で4000件近い書き込みが発生した。すでに米国で販売済みの端末であることから、発表日以前の書き込みもみられ、期間合計でクチコミ数が一番多かった。

 kobo Touchについては、7月19日から楽天が端末と電子書籍サービスを国内展開するとの発表を受け、1500件程度のクチコミが発生した。同時に端末の予約も開始され、楽天人気ランキングにランクインするなど、発表以降は話題が継続して発生しており、平均して1日500件程度の書き込みが持続している。

 Nexus 7は米Googleが販売する7インチのタブレット端末で、台湾のASUSからのOEM提供端末を自社ブランドとして発売しており、199ドルと価格が安いことが特徴。MicrosoftのSurfaceは同社がハードまで管理し販売する初めてのタブレット端末で、ハード面ではキーボード付き、ソフト面ではPCと同じWindowsを搭載することが特徴的な端末だ。

 ともに日本では販売の見込みがまだ発表されていないことから、クチコミ数は発表時に一時的に盛り上がり、その後2~3日程度で終息するという推移となった。

 発表後7日間に「買った、予約した」もしくは「欲しい、買いたい」といった購買意欲を表す言葉が端末名とともに書かれていた割合をみると、未発売の商品であることや、ニュース記事への反応が多かったことなどから、各端末とも5%以下と低い結果となった。電子書籍端末とタブレット端末では、購買意欲が書かれたクチコミ比率に2倍近い差がみられた。

 次に、購入意欲が書かれたクチコミを端末ごとに100件ずつランダムサンプリングして、「欲しい、買いたい」と思った時に何を意識しているのかを「ハード」「ソフト(コンテンツ)」「価格」「目的・オケイジョン」「通信」の5項目に分類した(比較用対象としてiPadが追加されている)。

 すると、iPadとSurfaceはハード、Nexus 7は価格、電子書籍は価格とコンテンツの割合が高いという結果が出た。Surfaceはハード面(特にキーボード)の評価が高く、カラフルなボディに関してのクチコミもみられた。またソフト(OS=Windows 8)についてのクチコミ割合も高かった。

 最後に、購入意欲を示したクチコミの中で、他の端末が想起されているクチコミ数を調査したところ(比較用対象としてiPadとウルトラブックを追加)、どの端末もiPadの想起率が高く、タブレットと電子書籍端末市場はiPad中心に語られていることがわかった。Kindleは電子書籍端末以外ではNexus 7と多く語られ(3.7%)、Surfaceはウルトラブックと語られる割合(1.8%)が他の端末より高かった。

 ニールセンのシニアアナリストである今田智仁氏は「現在のタブレット市場はiPadを中心に形成されているが、今後は電子書籍のように機能を限定した商品、Nexus 7のような低価格商品、Surfaceのような高機能商品といったように、幾つかのカテゴリにすみ分けがされていくだろう」と述べている。

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