奨学金情報の検索サイト「Studentship」--キャスタリアら3社が提供

 キャスタリア、ルネサンス・アカデミー、学校法人信学会は6月1日、奨学金情報サイト「Studentship」を公開した。

 Studentshipは、現役大学生や大学進学を目指す受験生など、奨学金の給付や貸付を希望する人が、自身の条件に合った奨学金を検索できるサービス。

 奨学金の制度や条件を調べる場合、大学などの学生課などに問い合わせるか、もしくは個々の奨学金支援団体に問い合わせ、条件などを自身で確認した上で、書類を記載して申請するというのが一般的だ。しかし、個別の問い合わせは時間も労力もかかり、学生らにとっては大きな負担となる。Studentshipでは、自身の情報を入力するだけで、適切な奨学金の情報を手に入れることができる。

 米国では、日本よりも奨学金制度が多様化している。そのため、「ScholarPRO」のように奨学金情報を提供するサイトが存在しており、教育環境を充実させる動きが盛んだという。Studentshipも、こうした動きに呼応する形で立ち上がったサービスだ。

 サービス開始時点では、大学を中心に約100件の奨学金情報が掲載される。今後は掲載数を拡大するほか、高等学校や専門学校における奨学金制度の情報も順次掲載していく予定だ。


キャスタリア代表取締役の山脇智志氏

 Studentshipは、キャスタリア、ルネサンス・アカデミー、信学会の3社共同プロジェクトとなる。3社共同でサービスを提供することで、運営面でのコストの軽減や安定したサービス運営を目指す。キャスタリア代表取締役の山脇智志氏は「教育の問題として、きちんとした経営体制で臨む必要がある。運営が頓挫した場合はサービスを利用する学生のデメリットとなる。そのため、もともと関係のあった学校法人らとタッグを組んだ。しっかりとした体制のもとに、教育とお金の問題に対する新しいソリューションを提供していきたい」と語る。

  • ユーザーの条件に合わせて利用できる奨学金が検索できる

 キャスタリアは、ポッドキャストの学習コンテンツ提供から始まり、ソーシャルラーニングサービスを提供してきた会社。現在はWikipediaを使ったソーシャルラーニング向けのスマートフォンアプリ「goocus」なども提供している。

 今回のサービスは、キャスタリアが2者に提案して始まったという。「学生時代に奨学金を受けていた者も社員に多い。私も20年前に奨学金を受けており、その仕組みについて知っていたが、今も昔も仕組みは変わっていない。これは無駄でおかしい。テクノロジー企業として、多様な学生を受け入れていく体制を積極的に作って欲しいと考えた」(山脇氏)


ルネサンス・アカデミー代表取締役社長の桃井隆良氏

 信学会は、長野県を中心に幼稚園や中学校、高校などを運営する学校法人であり、キャスタリアと資本業務提携を結んでいる。信学会常任理事の小林経明氏も、既存の奨学金制度が学生やその家族に対して負担が大きいと常に感じていたという。「大学進学の説明会でも奨学金の話題は多いが、そのたびに個々のケースを調査するのは大変。奨学金の調査に最適な環境が必要だと考えていた」(小林氏)

 ルネサンス・アカデミーは、通信制高校などを運営する企業だ。代表取締役社長の桃井隆良氏は、企業の社会的責任として、教育に対する投資が重要だと語る。「学びたい意欲をもつ学生を支援することは、社会全体にとっての必要な要素。1つの企業だけではなく、信頼のできるパートナーと安定的に組織として運営していくことが、学生らにとっての一番の支援にもなる」(桃井氏)


信学会常任理事の小林経明氏

 Studentshipがまず目指すのは、は奨学金制度の情報を集約させたデータベースの構築だ。今後は紙ベースの申請書類などのデジタル化やウェブ化を進め、学生と学校の双方への負担をテクノロジーで解決するという。将来的には新たな奨学金制度の設立や、奨学金制度を新設したい企業の奨学金業務のサポート支援などをおこない、充実した教育環境の構築を目指す。

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