1キロ先を誤差20センチで狙える弾丸、米研究所が開発

 サンディア国立研究所の研究者らが、自己誘導式の弾丸の開発を進めている。その成果を同研究所が米国時間1月30日に発表した。

 同研究所のRed Jones氏とBrian Kast氏を中心とするグループは、ダーツ型で小口径の滑腔砲用の自己誘導式弾丸を開発した。レーザ誘導で2000m以上離れた標的を狙えるという。

 開発は現在、コンピュータシミュレーションを経て一般に流通している部品で作った実地検証を行った段階にある。Red Jones氏は、工学的課題は残っているが「科学的基盤と工学技術で問題を解決できると考えている」とプレスリリースのなかで述べている。

 弾丸の長さは約10cm。弾丸の先端部分には光学センサを搭載しており、レーザ光線を検知する。センサの情報は誘導制御機器に送られ、8ビットの中央演算装置で情報を処理、電磁アクチュエータに指示が送られる。電磁アクチュエータが小さいひれ状の装置を制御して弾丸を標的に向かわせる。


小型LEDを弾丸に取り付けて行われた夜間プロトタイプ実験の画像
提供:サンディア国立研究所

 命中精度に関するコンピュータ上での空力モデリングの結果、誘導システムを使わずに実用条件下で1000m先の標的をねらった場合の誤差は約9mだが、開発中の弾丸を使うと誤差が0.2m以内になるという。

 想定顧客層は軍や警察、娯楽市場など。この技術は2010年8月に米国特許が成立しており、同研究所は現在、プロトタイプ検証や市場展開に向けて民間パートナーを募っている。

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