ドコモ障害「笑える状況ではない」--孫社長がトラフィック増を危惧

 ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、2月2日に開催された2012年3月期第3四半期の決算会見で、スマートフォンの普及により急増しているモバイルトラフィックについて言及した。

 NTTドコモは、トラフィックの増加により、2011年から数回にわたり通信障害を起こしている。また1月25日にも、東京都の一部地域で通信障害を起こし、1月26日に謝罪会見を開いている。ドコモの一連の障害について孫氏は「我々もドコモを笑える状況ではない。業界全体の共通の悩みであり問題であると感じている」と話す。

 「ここ最近、全国での無線のデータ通信量は毎年2倍に伸びている。しかし都心では年間3.4倍で伸びている。これは2年で10倍、4年で100倍、8年で1万倍になるということ。8年間で新たに総務省から許認可を得られる電波の幅は、せいぜい今の1.5倍くらい。1万倍のトラフィックを誰がどうやってまかなうのか。これは時間の問題でいずれ根本的に変えざるを得ない」(孫氏)

 また、電波の割り当てについても「たまたま地デジ移行によって空いた無線のバンドに携帯電話の電波を入れられるようになったが、そのほかにも有効利用されていない電波はあるのではないか」とコメント。仮に電波オークションを実施する場合、テレビも含めたすべての電波をオークション対象にすべきだと強調した。

 さらに、総務省のICTタスクフォースである「光の道」構想にも言及。「無線だけでは絶対に足りないという時代が来る。いまはWi-Fiでオフロードしているが、もっと大規模に国をあげて固定の光回線にオフロードするということを、皆で協力し合って考えなければいけない」と語った。

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