願いをかなえる身近なヒーローを見つける--マッチングサービス「WishScope」

岩本有平 (編集部)2012年01月16日 16時30分

 悩みを解決する身近な「ヒーロー」が評価を得る仕組みを作っていきたい――そう語るのは、2011年5月にザワットを設立した原田大作氏だ。

 ザワットでは、2011年12月にマッチングサービス「WishScope」を公開している。WishScopeは「○○を売りたい」「○○を買いたい」「○○について教えて欲しい」といった日常生活の中で生まれる「お願い」について投稿すると、興味や関心が近いユーザーがかなえてくれるというサービス。


ザワット代表取締役CEOの原田大作氏

 ユーザー数はまだ2000人に満たず、お願いの投稿数も数百件というところだが、約6割の投稿に対して「そのお願いをかなえる」という旨のオファーコメントが届いているという。「ユーザーベースではまだまだ小さいものの、成約率は高くなってきている。特に売ります買いますといった有料の案件はうまく機能しそうだ」(原田氏)

 サービス開始から1カ月弱で、モノの売買だけでなく、スタートアップが開発者や開発会社を見つけたり、不要ソファーを譲ったことをきっかけにユーザー間でカップルができたりしているというWishScope。原田氏自身も、WishScopeでメンバーを募って初対面の人たちとバンドを組むことになったそうだ。“身近なヒーローの登場”をうたうように、普段出会わない人と実際に出会って、願いをかなえるサービスとして少しずつではあるが育っているという。

 しかしリアルでの出会いがあるということは、いわゆる“出会い系”にならないようにしなければならない。そこでWishScopeではアカウントはFacebookに連携することで、身元をある程度担保する仕組みを採用した。また、願い事をかなえたユーザーの評価制度なども取り入れている。実際利用者には女性も多いのだそうだ。

 大学生の頃はバンド活動に明け暮れていたという原田氏。「バンマス(バンドマスター)で、楽器はベースを担当していた。白いバンに機材を積んで、全国を回ってライブをやっていた。そんな中で、何かをプロデュースする仕事をしたくなった」――そんな思いからサイバードに入社し、モバイルサービスのプロデューサーとして、ゲームや占いコンテンツからモバイルコマースのシステム構築までを担当。さらにはグローバルな仕事に挑戦すべく、同社を退社したのちにウォルト・ディズニーへ入社。ディズニー初となるソーシャルゲームも手がけた。その一方では個人プロジェクトとしてiPhoneアプリ「こづかいdeクエスト」もリリースした。

 原田氏は現在30歳。「30歳までに何をすべきか決めないといけないと考えていた。そしてどうせやるならでかいことやろうと思っていた。しかし“国を作る”というスケールでは難しい。それなら会社を作って起業しようとなった」とこれまでを振り返る原田氏。「ソーシャル、アプリといったトレンドがあり、スタートアップへ資金も流れるようになってきた。(若い起業家が数多く登場する中では)サラリーマン出身起業家で、出遅れ感はある。だが、人の内面を少しだけ開示するとコミュニケーションが活性化する、ニーズを知れば問題を解決できるということをこれまでの仕事でも学んできた」と語る。

 ザワットでは今後、2月にもWishScopeのiOSおよびAndroidアプリを提供する予定。将来的には法人向けアカウントの発行などでのマネタイズを検討しているとのことだが、当面は機能強化やお願いカテゴリのチューニングなどを行ってユーザー獲得を進めるとしている。

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