アマゾン、電子書籍の新フォーマット「Kindle Format 8」を発表

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2011年10月24日 12時46分

 Amazonは電子書籍フォーマットの機能を一新して名称も変更し、ウェブ技術を取り入れるとともに、グラフィックスや複雑なレイアウトを処理する機能を向上させた。

 米国時間10月20日に行われたAmazonの発表によると、「Kindle Format(KF)8」が旧フォーマットの「Mobi 7」に取って代わるという。

 Amazonは発表で次のように述べている。「『Kindle Fire』を見れば分かるように、パブリッシャーはKF8によって、絵本、コミックおよびグラフィックノベル、技術書や工学書、料理本など、リッチフォーマッティングやリッチデザインが求められるジャンルで、見栄えのする書籍を制作できるようになる。KF8はMobiフォーマットに取って代わり、固定レイアウト、テーブルのネスティング、コールアウト、サイドバー、Scalable Vector Graphics(SVG)など、150を超える新しいフォーマッティング機能が加わって、読者に愛されるKindle書籍を作るさらなる機会を切り開く」

 Amazonは、人気の高い電子書籍リーダー「Kindle」での経験を踏まえて、Kindle Fireでタブレット市場に進出する。Kindle Fireは11月15日に発売の予定だ。

 電子書籍出版の対象が、当初のテキスト中心の書籍以外にも広がる中で、こうした動きは避けられないものだった。たとえば、Amazonはタブレットで無理なく読めるコミックに対してデジタル著作権をライセンス供与している。

 KF8がWeb技術をサポートするのも、この技術がクロスプラットフォームであることを考えると、たいして意外なことではない。KF8は、Webページのコンテンツをコード化するハイパーテキストマークアップ言語(HTML)と、複雑さを増すフォーマッティングを処理するカスケーディングスタイルシート(CSS)に対応している。

 一部のパブリッシャーにとって特に歓迎すべきオプションは、ダウンロード可能なフォントを指定できるCSSの「@font-face」インターフェースの採用に違いない。このおかげで、パブリッシャーにとっては、表示デザインの選択肢が大きく広がりそうだ。

 Web閲覧技術を取り入れたことで、Webアプリケーション版のKindleで電子書籍が読みやすくなる可能性もあるが、デジタル著作権管理(DRM)上の制約により問題が複雑化し、KF8フォーマットの文書ではURLをクリックするだけでは済まない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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