モジラ、「Firefox 5」の正式版をリリース--開発サイクル短縮化の第1弾

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 緒方亮 高森郁哉2011年06月22日 11時43分

UPDATE Mozillaは米国時間6月21日、PCと「Android」搭載携帯電話向けの「Firefox 5」をリリースするとともに、前バージョンからわずかの期間で次のFirefoxをリリースすることを約束した。

 かつてMicrosoftの「Internet Explorer」に挑戦する主要なブラウザメーカーだったMozillaは、新興勢力との戦いという新たな試練に直面している。特に手ごわいのがGoogleの「Chrome」で、6週間ごとに新バージョンがリリースされる。Firefoxでも同様の方針が採用され、新バージョンへ移行するサイクルが短縮された。そして、Mozillaは6月21日の最初の期限を守った。

 Mozilla Corporationの最高経営責任者(CEO)を務めるGary Kovacs氏は21日、同製品を発表するオンラインチャットで、「インターネットの世界は以前にも増して速いペースで移行しているため、われわれはイノベーションの高速化に着手する必要があると認識した」と述べた。

 Firefox 5には以下の新機能が含まれる。

  • CSSアニメーションのサポート。この技術により、ウェブページの要素を画面上で動き回らせることが可能になる。より動的なウェブページやウェブアプリケーションに有効だ。
  • 以前「Jetpack」と呼ばれていた、Firefoxの新しいアドオンSDK。開発者はこれを土台として、旧来のXUL技術ではなく、HTML、CSS、JavaScriptなどのウェブ技術で機能拡張を組み立てることが可能になる。期待される利点として、機能拡張の作成の簡易化や、ブラウザが新バージョンに移行する際の互換性がある。
  • ベータテスト段階の「Add-on Builder」。機能拡張の作成を容易にすることを目的としたウェブベースのツールだ。
  • 広告などの目的で追跡されたくないことをウェブサイトに通知できる「Do Not Track」技術。今後はAndroid携帯電話でも利用できる。
  • 2次元グラフィックス技術をブラウザに追加する「Canvas」が高速化し、正式仕様への準拠も改善されている。
  • Android上で、ウェブページを装飾するダウンロード可能な書体のためのWeb Open Font Format(WOFF)に今回対応した。
  • 同じくAndroid上で、ウェブページでのパン操作がよりスムーズになる。

 オープンソースブラウザのFirefoxでは、バージョン4で抜本的な改訂が行われた。Mozillaは、「Firefox 4」がPCとAndroid携帯電話を合わせて2億回以上ダウンロードされたと発表した。しかし、開発サイクルが短くなったことで、新たなリリースは従来のような大きな変更ではなくなる。

 「Firefox 6、7、8、9、10はいずれも重要だが、今回のような大々的なお披露目にはならないだろう。われわれがウェブに素晴らしいものを提供する方法において、各リリースは単なる一部になるだろう」(Kovacs氏)

 Mozillaは、Firefoxの最終的な正式版のほかにも、より冒険好きな人々のために、ベータ版と「Aurora」版というさらに先を進む2つのテストバージョンを追加している(開発の最前線にいる人々向けに、ナイトリー版も用意されている)。

Do Not Track技術 Do Not Track技術
提供:Screenshot by Seth Rosenblatt/CNET

◇Firefox 5正式公開からの予定
年内に「Firefox 9」リリース、6週ごとに新版提供--機能よりスケジュール優先
Firefox 7~9の新機能はソーシャルブラウザやアプリストア
Firefox、国立公園を名を冠したコードネーム廃止

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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