NSSOL、コンテンツ不正利用防止サービスを本格展開

岩本有平 (編集部)2011年04月21日 18時47分

 新日鉄ソリューションズ(NSSOL)は4月21日、米Attributorと提携して提供するコンテンツ不正利用防止サービスに関するセミナーを開催した。

 Attributorが提供するコンテンツ不正利用防止サービスは、電子書籍やウェブサイト上の記事、ゲームソフトなどのコンテンツの不正コピーを発見し、不正コピーの掲載サイトに削除勧告を行うサービス。日本国内では新日鉄ソリューションズが3月から提供している。Hadoopなどオープンソースのクラウド技術を利用した同社のシステムでは、1日数千万ページのクローリングを実現するという。システムでの確認に加えて、ファイルダウンロード時のパスワード入力など、状況に応じて人手での確認も行う。

 不正コピーの監視に必要なのは、監視対象となるコンテンツの作品名や巻数などの情報のメタデータ(電子書籍やデジタル化されたマンガなどの場合)およびコンテンツの内容(ニュース記事などの場合)。これをRSSフィードとしてAttributorのシステムに配信するだけでよいという。日本語や英語、中国語、韓国語など18の言語に対応する。不正コピーを発見した際は、Attributorが代理人として当該サイト運営者らに削除勧告を実施。

 同社によると、書籍向けのサービスでは、月間数万件の削除勧告を発行。その削除成功率は99%を誇るという。ドイツの新聞社が運営するFAZ.NETでは、許可なく同社の記事を利用している商用サイトを調査して有償での記事利用を要請した。その結果、98%が支払いに応じ、収入の増加を実現した。また日本でも「天使と悪魔」や「ダ・ヴィンチ・コード」で有名な作家Dan Brown氏の長編小説「The lost Symbol」の不正コピーを調査したところ、166のコピーを11サイトで発見した。これを人力だけで調査した場合、82%を発見できなかったという。

 新日鉄ソリューションズでは、すでにゲームメーカーなどに試験的にサービスを導入しているが、今後出版社や電子書籍配信プラットフォームなども対象に展開を本格化する。

 これにより、不正コピーを公開する海外サイトの国内利用者を減らし、コンテンツ事業の海外進出を支援するという。監視対象のコンテンツの和名から英文名、俗名など、監視に必要な情報をユーザー企業ととも検討するほか、日本国内サイトのクローリングや目視確認、削除勧告などを支援する。問い合わせの一次窓口も同社が担当する。価格はコンテンツの種類やサービス内容、提供形態にもよるが、新刊の書籍を削除勧告まで行う定常監視の場合、月額20万円程度。発売から時間のたった書籍であれば月額1万円以下でサービスを提供するとしている。

  • オープンソースのクラウド技術を利用したシステム構成

  • サービスのイメージ

  • サービス開始に先駆けて実施した不正コピーの監視結果。最新の単行本だけを対象にしている

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