IPA、急増するワンクリック不正請求に注意喚起

 独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、セキュリティ相談件数の大幅な増加、特にワンクリック不正請求に関する相談が急増していることを受け、ワンクリック不正請求を中心とした有害サイトの状況に関する情報を提供するとともに、一般ユーザーにおける有効策について注意喚起した。

 IPAが受け付けたワンクリック不正請求に関する相談件数は、2008年6月が372件、7月が457件、8月が545件と、3カ月連続で最多件数を更新し続けている。相談の主な内容として、動画を見ようとして再生ボタンなどをクリックした結果、請求書を表示するウィンドウがデスクトップ画面に貼り付いて、画面から削除しても繰り返し表示されてしまうというものがあった。

 この現象は、動画を見るつもりでクリックをし続けた結果、請求書を繰り返し表示するウイルスプログラムを取り込んでしまったことにより起こっている。取り込む際にはWindowsの警告画面が出ていたはずだが、被害者はその警告を無視してクリックをし続け、自らウイルスを取り込んでしまっている。

 また、アダルトサイトの閲覧を目的としていなくても、「芸能人の情報サイト」や「アニメの情報サイト」「ゲーム攻略サイト」などを検索、閲覧していてアダルトサイトに誘導され、請求書が表示されるようになってしまったという相談事例も多数あった。どこからアダルトサイトに誘導されるかがわかりにくい状況であるため、手口を知り対策をとることで、被害に遭わないよう呼びかけている。

 IPAでは、ワンクリック不正請求の被害に遭わないためには、「アダルトサイトに行かないこと」が最大の対策だとしている。しかしアダルトとは無関係のサイトからアダルトサイトへ導かれてしまったという報告も多数あるため、悪意のあるサイトが存在していることを認識し、一般サイトを閲覧中にアダルトサイトが表示されても、好奇心や興味本位でボタン等をクリックせず絶対にそれ以上先に進まないように注意を呼びかけている。

 また、請求書が表示された場合でも慌てないことが重要と指摘。決してすぐにお金を振り込んだり、請求書の連絡先にメールや電話で問い合わせをしたりせず、パソコンを再起動して再起動後に請求書が表示されなければ、そのまま無視するべきとした。

 再起動後も請求書が表示される場合には、不正プログラムが埋め込まれていることから「システムの復元機能でシステムの状態を以前の正常な状態に戻す」作業をする必要がある。それでも請求画面が消えない場合は、使用しているパソコンを初期化する必要があるとのことだ。

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