グーグル、次世代検索技術「Caffeine」を2010年前半に一般公開へ

文:Toby Wolpe(ZDNet UK)  翻訳校正:編集部2009年11月12日 12時48分

 Googleによると、次期検索エンジンインフラストラクチャである「Caffeine」が近いうちにより幅広いユーザーに向けて公開されるという。Caffeineは、より高速かつ正確な検索結果を返すよう設計された技術を提供する。

 Googleは具体的な公開予定日は明かさなかったが、2010年前半には完全導入されるはずだと述べている。

 「2009年中に完全公開を行わないのは、多くのウェブ管理者、とりわけ何らかの形で小売に関わっているウェブマスターにとってホリデーシーズンが極めて重要なことを、われわれは知っているからだ。われわれはホリデーを前にして、彼らにCaffeineという心配の種を与えたくはない」とGoogleの広報担当であるAnthony House氏はZDNet UKに話した。

 GoogleのプリンシパルエンジニアであるMatt Cutts氏が米国時間11月10日、ブログ投稿の中で述べたところによると、同社はデータセンターの1つでCaffeineを稼働させることで、公開までのプロセスにおいて次の段階に進む準備が整っているという。「これが何を意味するかというと、少数のGoogleユーザーは通常の検索において、Caffeineを支える技術の恩恵を享受できるようになるのだ」とCutts氏は書いた。

 Caffeineの登場が間近に迫っていることを示す最初の兆候は、開発者や一般ユーザーがCaffeineのプレビューテストを行ってコメントを残しているCaffeineサンドボックスページ上に掲載されたあるメッセージだった。

 10日にサンドボックスのアドレスに投稿されたこの短いメッセージの中で、GoogleはCaffeineが近いうちに一般ユーザー向けに公開されると述べた。「Caffeineはより幅広いユーザーに公開できる段階に達したとわれわれは考えている。近いうちに、Caffeineをより広範にアクティベートする予定だ」とメッセージには書かれていた。

 Googleによると、サンドボックスはその役目を終えたので、現在は閉鎖されているという。「しかし、われわれはウェブ管理者とパブリッシャーが行ったテストと、彼らのポジティブなインプットに感謝している」とGoogleは述べた。

 Googleは8月、大規模なチームがCaffeineに取り組んでいることを明らかにした。Caffeineについて、Googleは同社の次世代アーキテクチャを作り出す極秘プロジェクトだと説明した。

 Caffeineによって、Google検索のお馴染みの外観が変わる可能性は低そうだ。しかし、Caffeineはバックグラウンドで動作し、Google検索エンジンのインデックスサイズや、インデックス作業の速度と精度を改善することになるだろう。Googleが同社の検索技術に施す通常のアップデートと異なり、この新しいエンジンは、同社の検索インフラストラクチャの一部に大きな変化をもたらす。

 House氏によれば、Caffeineは検索インフラストラクチャのバックエンドを徹底的に検査したものという。「ほとんどの消費者は変化に全く気づかないだろう。大半のウェブマスターは影響を受けないはずだ。しかし、だからこそ、われわれはサンドボックスという形式でCaffeineを公開したのだ。つまり、予期せぬ結果を初期段階で特定できるようにしたかったのだ」とHouse氏は述べた。

 Caffeineは検索品質の面で利点を提供することに加え、Googleがより多くの革新をより簡単に実行することも可能にする。「われわれがアルゴリズムの微調整を1年間に400回以上行うことを考えると、Caffeineの存在理由の1つは、そうした微調整をより簡単に実装できるようにすることである」とHouse氏は述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ

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