最終更新時刻:2009年7月11日(土) 10時00分

iモード 欧州に再挑戦 ドコモ「簡易版」開発、本格展開へ

FujiSankei Business i.

2008/12/04 11:23  

 NTTドコモがインターネット接続サービス「iモード」で、専用端末でなくてもサービスが利用できるソフトウエアを開発し、2009年にも欧州の端末メーカーや携帯電話事業者に本格輸出することが明らかになった。ドコモは02年からiモードの技術輸出を開始したが、対応端末が少なく普及が伸び悩んでいた。ドコモはiモードサービスを利用できる携帯電話の裾野を広げることで、世界市場に“再挑戦”する考えだ。

 iモードは携帯電話からインターネットに接続し、ゲームや音楽などを楽しめるドコモの独自技術。ドコモは02年3月に、ドイツの携帯電話事業者に海外で初のiモード技術を提供。その後も各国の事業者や端末メーカーが導入しており、現在は欧州10カ国を含む世界16カ国で利用されている。

 ただ、携帯電話をiモードに対応させるには、基本ソフト(OS)部分からiモード用に開発したソフトウエア環境が必要で、廉価な端末が広く普及する海外では現地メーカーが積極的に生産を行わなかった。日本の端末メーカーの海外事業からの相次ぐ撤退なども相まって、現在、海外でのiモード利用件数は約650万件と、日本の10分の1程度にとどまっている。ドイツやロシアなどでは撤退を余技なくされた。

 そのためドコモは07年9月、iモード専用端末でなくてもインターネットが利用できればiモードサービスに接続できるようにするソフトウエアを開発。現在フィンランドのノキアが一部の端末に導入しており、これを09年には欧州各国の携帯電話事業者や端末メーカーに採用を働きかける。ドコモは、ソフトの提供によるライセンス料収入の拡大につなげる考えだ。

 ドコモの国際事業の売上高は07年度は800億円と、全売上高の約2%にとどまったが、将来はそれを10%に引き上げる考え。しかし国際収支のほぼすべては、ドコモユーザーが海外で電話を利用した際の相互通信(ローミング)料収入と、出資した海外企業からの配当などで占められ、ソフトのライセンス収入は年間数十億円規模にとどまっている。

 ドコモはアジアの携帯電話事業者を中心に積極的に投資を行っており、「技術提供によるライセンス収入も拡大させていく」(山田隆持社長)考え。日本の携帯技術は、高機能な半面、価格性能比が重視される海外での普及が遅れていたが、海外企業がより導入しやすい環境を整えることで、ドコモは日本独自の携帯技術の積極輸出につなげる計画だ。

【予報図】

 ■「解放型」に転換、技術輸出の試金石

 日本の携帯電話技術は、携帯電話事業者が端末の仕様などを主導してきた結果、高機能化する一方で、日本独自の仕様が発展し“ガラパゴス化”などと揶揄(やゆ)される。iモードが海外に提供された当初も「特殊すぎて自国のユーザーにはそぐわない」(ロシアの携帯電話事業者)などの批判があり、幅広く普及するには至らなかった。

 今回のドコモの取り組みは、携帯電話事業者が端末やソフトウエア、サービスの仕様を定める垂直統合型ビジネスモデルから、他の企業がドコモの技術基盤を利用しやすくする開放型ビジネスモデルに転換したことを示す。日本の携帯電話市場が飽和し、海外に収益を求める中で、他社と連携しやすい環境整備が急務との判断が働いた。

 世界的に携帯電話向けサービスが高度化する中、先進的な取り組みを進めてきた日本の技術に対する海外企業の関心は高い。ドコモの今回の試みが、日本の携帯技術が海外で受け入れられるかどうかの試金石となる。(黒川信雄)

【用語解説】iモード

 NTTドコモが1999年2月にサービスを始めた携帯電話用のインターネット接続サービスで、携帯電話専用のウェブ規格ではなく、一般的な規格を採用したことでコンテンツ(情報の内容)の開発を促進。当初は上位機種向けだったが、現在はドコモの携帯電話の基盤サービスとして普及。契約数は10月末で4807万人。月額210円だったが、2008年6月に315円に値上げした。

NTTドコモの株価
iモードサービスの歩み

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