下院外交委員会、米ヤフーの中国政府への協力について幹部を厳しく追及

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年11月07日 16時34分

UPDATE 米国時間11月6日に開催された下院外交委員会の聴聞会で、Yahooの2人の最高幹部は、中国で反体制派の中国人ジャーナリストが投獄された事件で同社が果たした役割に対する批判を和らげようとしたが、国会議員らは彼らに対しほとんど同情の意を示さなかった。

 Yahooの最高経営責任者(CEO)であるJerry Yang氏と同社の法律顧問を務めるMichael Callahan氏は、下院外交委員会で、民主、共和両党の委員からの4時間近くに及ぶ厳しい批判に耐えた。

 今回の聴聞会の主題は、中国で中国人ジャーナリストのShi Tao氏(37)に懲役10年の判決が下された事件に関し、Callahan氏が2006年に同委員会に「虚偽の情報」を提供したとされる疑惑だ。また聴聞会では、関連事件として、オンラインライターのWang Xiaoning氏の事件も取り上げられた。

 Yahooの幹部2人は、同社の現地子会社が行った中国政府への協力に関する詳細な最新情報を同委員会に提供しなかった件と、投獄された2人の反体制活動家の家族が受けた苦痛について、同委員会に繰り返し謝罪した。また彼らは、人権に対する同社のコミットメントを明言した上で、共産主義国家である中国では同国政府の気まぐれで頻繁にインターネット検閲が実施されているものの、それでも同国における事業の存続を決めた自分たちの決断を引き続き弁護した。

 しかし結局、委員らは、Yahooの窮状に対しほとんど同情は示さなかった。Tom Lantos下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)はYahooに対し、同氏の言う「(同社の中国事業における)ひ弱で無責任な行動」についての説明を求めた。

 下院外交委員会の委員長を務めるLantos氏はYahooの幹部2人に対し、「(今回の件について)反省し、無実の人とその家族に与えた被害について考えよ」と述べ、さらに次のように続けた。「あなた方がどうしようと当委員会には無関係だが、もし、あなた方の方針がもたらした多大な被害についてあなた方が責任を自覚するならば、あなた方はより良い人間になれるだろう」

 今回問題になっているのは、2月に同委員会で行われた世界のインターネット検閲に関する広範な聴聞会で、Microsoft、Google、Cisco Systemsの関係者らとともにCallahan氏が宣誓の上で行った発言だ。

 特に問題なのは、Callahan氏が同委員会に対し、中国当局がYahoo Chinaに接触し、Shi氏の身元を特定できる情報を求めた理由に関する事実について全く知らないと語った点だ。Shi氏は後に、中国の法律に反し、国家機密を外部に漏らした(具体的には、報道機関への弾圧について詳細に書かれた電子メールを海外のある権利擁護団体に転送した)罪で有罪判決を受けた。

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