マイクロソフトの研究成果を応用した新SNS「Wallop」--今年後半に登場へ

文:Ina Fried (CNET News.com) 翻訳校正:坂和敏(編集部)2006年04月27日 10時50分

 サンフランシスコのある新興企業がMicrosoftと手を組み、ソーシャルネットワーキング(SNS)分野の新たな人気サービスをつくり出そうとしている。

 Wallopという社員数12人のこの新興企業では、Microsoftの研究部門が開発した技術を利用して「Friendster」や「MySpace」のようなサイトを提供したいと考えている。Wallopはまた、シリコンバレーにある有名なデザインハウスのFrog Designを起用して、ユーザーインタフェースの設計にあたらせることになっている。

 同社によると、Microsoftが開発したコンセプトは、SNSの現在のモデルよりもはるかに役に立つものになるという。現在のモデルでは、ユーザーは友達をつくるために他のユーザーと説得して回らなくてはならない。

 「われわれ誰もが小学校時代にはああした経験をしたことがあった」とWallopの最高経営責任者Karl Jacob氏は言う。Jacob氏は経験豊かな企業家で、以前Microsoftで働いていたこともあった。「しかし実世界では、われわれの人間関係はもっとダイナミックで複雑なものだ」(Jacob氏)

 Wallopのアプローチの中心にあるのは、現実の世界での人付き合いにより近い形での自己表現が、オンライン上でも可能になるような方法を探し出すことに力を貸そうという考えだ。写真や動画などユーザー自身の生み出すコンテンツは同社が採るこのアプローチの一部だと、Jacob氏は述べている。

 「一般ユーザーは現在、自分たちの独自のイメージのなかでインターネットを作りかえている」と言うJacob氏は、Keenなど複数の新興企業でCEOを務めたことがある人物だ。

 しかしJacob氏は、同社の思惑についてはあまり多くを語らなかった。同社はこのサービスを2006年後半に開始する予定だ。

 Wallopとの提携はまた、自社の研究部門の成果からより多くの利益を生み出そうとするMicrsoftの最新の取り組みでもある。この契約の一環として、MicrosoftはWallopの株式の一部を取得するとともに、同社の取締役会にオブザーバーとして出席する権利を得た。

 両社はいずれも、契約の詳しい条件は明らかにしなかったため、Microsoftが何らかの追加ロイヤリティーや対価を受け取ったかどうかなどはわかっていない。

 1年前、Microsoftはトラフィック監視技術のライセンスをシアトルの新興企業Inrixに供与した。また2005年5月には、新興企業にライセンス供与する正式なプログラムを発表し、ライセンス供与のために20の技術が用意したことを明らかにしていたが、このなかにWallopも含まれていた。

 「さまざまな条件がうまく一致した」とMicrosoftのDan'l Lewin氏は述べている。同氏はMicrosoftでシリコンバレーの起業家との関係づくりを担当するバイスプレジデントだ。「われわれはこうした提携が今後さらに多く成立することを望んでいる」(Lewin氏)

 Jacob氏によると、同氏は昨年春に、 やはり元Microsoft社員であるInrixのCEO、Bryan Mistele氏などから、この技術についての話を聞いたという。そして、当時Microsoftでサーバーおよびツール部門の責任者を務めていたEric Rudder氏と交わした会話から、Microsoftのこの技術を核に新会社の設立を決断したという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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