社員がメールで噂を流すと企業にも責任が?

 先頃ロンドンで起こった集団婦女暴行事件について、これに関わったとされるプロサッカー選手の身元を憶測したメールを社員が流すと、雇用主である企業も起訴される可能性がある、と専門家は警告している。

 仮にある社員が、この事件に関わったと噂されるサッカー選手名を記した電子メールを流すと、その社員だけでなく雇用主である企業も名誉毀損の罪あるいは法廷侮辱罪に問われる危険性があるという。

 国際法律事務所、Masonsの1部門であるOut-Law.comの編集者、Struan Robertsonは3日(英国時間)、「(サッカー選手の)名前を(メールで)流すと、名誉毀損で起訴される可能性がある」と警告した。

 またRobertsonは「仮に社員が企業内システムを使って、会社の内部、あるいは外部に名前を流した場合、企業も責任を問われる危険性がある。実際起訴されるか否かは定かでないが、企業にとってリスクであることには違いない」と付け加えた。

 複数の報道によると、噂によってこの暴行疑惑と関連付けられている選手らの代理人を務める弁護人たちは、メールで選手名のリストを配布した個人の追及を試みているという。

 すでに、リストを配布していたある人物が名誉毀損の罪に問われる可能性があるとの警告を受けたことが分かっており、停職処分に付されたとの話もある。

 この疑惑が最初に報じられたのは先月29日で、17歳の少女が9月27日にロンドンのホテルで暴行を受けたと訴え、プレミアリーグの選手8名がこれに関わったとされている。

 英国の各メディアは名誉毀損で告訴されることを恐れ、事件に関わった選手の名前の公表は避けたが、法務長官は、疑惑の中心的存在としてあるクラブを名指しした新聞記事についての訴えを受理した。

 しかし憶測は広がりを見せており、英国のいくつかのウェブサイトは、サイト上のチャットルームにユーザーが事件に関わったとされる選手の名前を書き込んだため、チャットを閉鎖した。ただ海外のサイトでは、このような措置は取られていない。

 Robertsonの説明によると、著名人が犯罪で告訴されると、裁判所は彼らの名前を公表しないよう命令を出すという。この命令に違反した新聞は法廷侮辱罪に問われる可能性がある。

 Robertsonは「これはリスクであり、企業が注意すべき問題だ」と忠告した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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