ハリー・ポッター最新刊、早くも違法コピーがネットに

 ハリー・ポッターの最新刊は読みたいが、本屋の列に並んでお金を支払いたくない場合はどうするか。無償でダウンロードという手がある。

 一般的なコンピュータを使い、本をスキャンして電子ブックフォーマット化する作業がますます簡単になってきたため、ハリー・ポッターのシリーズ最新刊が、前4作や、映画シリーズ、オーディオブックなどとともに、Kazaaなどのファイル交換サービスで、音楽ファイル並に簡単に入手できてしまう。

 この点について、出版業界のNapster化が進む前兆ではないかとする声が一部であがっている。

 マサチューセッツ州立大学アマースト校の学生で、PickATime.com(オンラインスケジュール表サービス)のシステム管理者でもあるWayne Changは、「本の実物を持ち歩くのと同じように使えるデバイスが増えれば、人気の高い本はMP3と同じようにダウンロード版の人気も出てくる。これらの電子ブックは、読者が自分で作ったもので、出版社が出したものではない」と語った。

 本をスキャンし、Microsoft Readerなどのソフトウェアで読めるフォーマットに変換する方法は、多くのWebサイトで手順が詳しく公開されている。これらの本は印刷物をスキャンしたものであるため、出版社が出版・流通させる電子ブックにあるコピー防止の仕組みをかいくぐってしまう。

 また、ほかのサイトでは、不幸な運命を辿ったNapsterや、多数の後継サービスが、オーディオやビデオファイルで行っていたのと同じように、電子ブックを集めて共有し、ダウンロードできるようにしている。

 米国時間21日に発売された「Harry Potter and the Order of the Phoenix」(邦題「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」)は、J.K. Rowlingによる英国の児童書籍シリーズの第5作目となる。版元のScholasticでは、初日に500万冊を販売しており、米国では既に第3版の印刷が予定されている。

 ネット上でやりとりされるハリー・ポッターやその他の電子書籍の増加は、映画、ソフトウェア、音楽などの各業界が、違法コピーファイル撲滅を目指して、ファイル交換に手を染める人たちに対して、一段と激しい法的な攻勢をかけているさなかの現象だ。出版業界でも、著作権侵害の疑いがある場合には積極的な対応をしており、全米出版協会ではDigital Millennium Copyright Act(DMCA)の条項を根拠に、各サイトに著作物の強制的なファイルの削除を求めているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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