巨大スクリーンでページを「めくる」--米美術館、新技術を使い情報を提供

Alorie Gilbert(CNET News.com)2005年10月26日 16時39分

 サンフランシスコ発--Fredric Edwin Churchの「Rain Season in the Tropics」やAaron Douglasの「Aspiration」のような昔の名作さえも、ちょっとしたハイテクを使って宣伝できる。

 サンフランシスコのゴールデンゲートパーク内にあり、改装を終えたばかりのde Young Museumが、11月から、同美術館のサイトを通じ、美術館ディレクターやキュレーターを紹介するポッドキャストの配信を開始する。

 2億ドルの費用と5年の月日をかけた改装工事を終え、今月初めにリニューアルオープンしたばかりの同美術館は、ポッドキャストを後援者向けの一連のIT広報活動の一環として配信する。ポッドキャストはおそらく話題づくりには役立つだろう。しかし、この美術館における最先端のITプロジェクトは別にある。それは、他に全く例の無い、床から天井までの高さの巨大スクリーン上でページを「めくり」ながら美術館の所蔵品を閲覧できるという、ハイテクプレゼンテーションのほうだ。

(写真提供Alorie Gilbert/CNET News.com)

 「Collection Icon」と呼ばれる新型スクリーンは、バーチャルなページをめくると、「シューッ」という小さな音までたてる。

 スクリーンの開発を担当したのはサンフランシスコのデザイン会社Propp + Guerinだ。ワシントンD.C.のHolocaust Museumなど、ほかにもデジタル技術を一部活用したプレゼンテーションを行っている美術館はあるが、de Youngのハイテクプレゼンテーションの使い方がおそらく最も包括的だと、Propp + GuerinのデジタルデザイナーScott Aronianは語る。

 またHoloProの世界でも、これがおそらく世界最大の使用例となる。HoloProとは、Collection Iconのガラスパネルに埋め込まれた透明なハイテク素材である。ドイツで開発されたもので、表面に塗布されたゼラチン結晶にレーザーエッチング加工が施され、小さなプリズムが並ぶ。このプリズムの働きで、スクリーンの真後ろからではなく天井からの後方投影が可能で、明るい日中でも鮮明で色鮮やかな画像が映し出される。同美術館の広報担当者はこのスクリーンの費用についてはコメントしなかった。

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