PtoP企業、存亡の危機?--米最高裁判決の影響はいかに

Dawn Kawamoto(CNET News.com)2005年06月28日 18時49分

 歴史的ともいえる米最高裁判所の判決により、ピアツーピア(PtoP)企業は財務的な危機に陥いることが予想される。だが、金融専門家や弁護士らは、ファイル交換企業の一部はこのピンチを乗り越えられるだろうと予測する。

 映画会社およびレコード会社各社がGroksterなどのPtoP企業を相手取って起こしていた裁判で、米最高裁は米国時間27日、PtoP企業にユーザーの著作権侵害行為の責任を問うことを認める判決を下した。判決が下るや否や、金融専門家や弁護士らは先のような予想を語り始めた。

 「投資家は今後、このような企業およびその事業内容が最高裁の判決を遵守しているかを注意深く監視するだろう。小規模企業は将来、資金調達に苦労するものと思われる」とPillsbury Winthrop Shaw Pittmanで知的所有権を専門とする弁護士のBill Abramsは述べる。

 今回の裁定を受けて、投資家の関心は、これらファイル交換企業が今後他の分野で革新性を発揮できるのか、見込みのある事業計画を立てられるのかといった事柄に集まっている。

 これに対し、今年初めに裁判所に書類を提出したチップメーカーのIntelは、今回の判決に対して否定的な見方をせず、今後もイノベーションは続くと述べた。

 「今回の最高裁の判決については時間をかけて検討する必要がある。最高裁は今回、ベータマックス判決の最も重要な部分を支持したように思われる。われわれはこの点に満足している」とIntelの広報担当Jennifer Greesonは述べた。

 米最高裁は1984年に、ソニーのベータマックスをめぐる裁判で、動画のコピーや再生が可能なビデオデッキの販売を合法とする判断を下していた。Greesonは、David Souter判事が、ベータマックス裁判で議論の対象とならなかった積極的誘発行為に焦点を当てた点に、言及した。

 Hewlett-Packard(HP)も、最高裁の判決について、エンターテインメント業界の「著作権保護を強力に支持するものだ」と述べ、評価している。

 「HPは、コンテンツに公正な価値を与え、デジタルエンターテインメントの新しいエクスペリエンスを求める消費者のニーズに応えるビジネスモデルを開拓するエンターテインメント業界の取り組みを支持する」と同社は声明文で述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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