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「ケーブルテレビのバンドル販売は時代遅れ」--ネット動画配信をめぐるそれぞれの思惑

志村一隆(情報通信総合研究所) 2009/04/08 14:59

 「オーバー・ザ・トップ(Over-the-Top)」と呼ばれるサービスが米国で注目を集めている。フリーのソフトウェアをPCにダウンロードし、テレビとつなげば、大手メディアが配信するインターネットの無料動画がテレビで見られるというものだ。こういったサービスと、ケーブルテレビや衛星放送など有料放送モデルとの競争が米国で激しくなっている。

 オーバー・ザ・トップを実現するソフトの1つがBoxeeだ。このソフトを提供している企業の代表とComcastの子会社でメディア配信事業を手がけるThe Platformの担当者が、3月18日から19日まで米国ニューヨークで開催されたメディア関連の展示会「Media Summit New York」において、インターネットの動画配信について議論した。

 コムキャストは2007年第2四半期(4〜6月)からテレビサービスの加入者が減少している。2008年は、前年に比べて57万5000人減(2%減)となった。一方のBoxeeは、2009年2月に動画配信サイト「Hulu」からアクセスを遮断されている。これは、Huluが加入者減少に悩む大手コンテンツプロバイダーとの関係を重要視したからだと言われている。

バンドルビジネスは是か非か

Boxee BoxeeのAvner Ronen氏(左)

 セッションでは、視聴者の視点から動画ビジネスをとらえ、視聴者にとっての利益を語るBoxeeと、事業者視点からバンドルビジネスの優位性を語るthe Platformの立場の違いが浮き彫りになった。

 BoxeeのCEOであるAvner Ronen氏は、消費者の視点から「インターネットはオンデマンドのプラットフォームだ。好きなときに好きな動画を見られる。これに対し、ケーブルテレビで特定のスポーツ番組だけを見たくても、月額100ドルくらいのパッケージを契約しなくてはいけない。ケーブルテレビが提供するパッケージは消費者にとって不利益だ」と語る。また、「ケーブルテレビのチャンネルバンドルビジネスは、インターネットが存在しなかった時代のモデルだ。今後、ケーブルのテレビ契約を解約し、ブロードバンド契約だけにする消費者が増えるだろう」と、ケーブルテレビのビジネスモデルがインターネット時代に適合していないと指摘した。

 一方、The PlatformのMarketing部門責任者であるMarty Roberts氏は、「ComcastのようなケーブルテレビオペレーターもMTVのようなケーブルチャンネル側も、パッケージ販売にメリットを感じている。例えばESPNが提供する様々なチャンネルや番組を、見やすいようにバンドルして販売することで、消費者も大量にあるものの中から見たいものを見つけやすくなる。また、視聴者の嗜好性が特定されるので広告スポンサーにも営業しやすくなる」と、ビジネス運営の視点から、バンドル、パッケージサービスの優位性を語った。

コンテンツは無料にすべきか

 インターネット時代のコンテンツビジネスは、無料広告モデルになるのか、有料モデルになるのか。セッションでも議論された。米国大手メディアの幹部は、2009年年頭のCES 2009でDisney-ABCテレビジョンのPresident、Ann Sweeney氏が表明したように、インターネットでもテレビと同じ広告配信モデルを支持している。

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