アップル、ワーナーミュージックら3社と協議中か--iTunesのDRMフリー楽曲販売で

文:Greg Sandoval(CNET News.com) 翻訳校正:湯木進悟2008年11月20日 07時08分

 デジタル著作権管理(DRM)ソフトウェアで保護されていないEMI Groupの楽曲が「iTunes」で販売開始されてから約1年が経過した。Appleは現在、他の3大レコード会社とも、DRMフリーの楽曲提供に関して、協議を進めているという。音楽業界の2つの情報筋が明らかにしている。

 協議は、まだ予備段階にあり、具体的には何ら契約が結ばれていないものの、ある情報筋は、このうち主要レーベル1社が、最終契約の一歩手前にまで来ていると語った。インターネットでは、まもなくソニーが、論争の的となってきたDRMソフトウェアなしの楽曲販売を、(iTunesで)開始するのではないかとのうわさで、この1週間持ちきりである。しかしながら、筆者が知る情報筋を通じては、このうわさの真偽を確かめることはできなかった。

 Appleおよび主要レーベルの広報担当も、この件に関してコメントを拒否している。

 万が一、この契約が結ばれるならば、AppleのiTunesで提供される楽曲は、もはや「iPhone」や「iPod」といった、Apple製デバイスのみでの再生に制限されることはなくなるだろう。この制限は、これまで長い間、iTunesでの楽曲販売に向けられてきた批判の中でも、主要なものとなってきた。Appleは、同社にDRMの採用を義務づけてきたのは、音楽レーベルのほうであると主張している。一方、複数の音楽業界内部の情報筋は、Appleこそ、DRMフリーの楽曲販売に、二の足を踏んできたと述べている。現在のところ、Appleは、販売楽曲にロックをかけるため、「FairPlay」と呼ばれる、プロプライエタリなDRM手法を採用している。

 少なくとも音楽レーベル2社が、ここ数カ月の間、Appleとの協議を重ねてきたと、複数の情報筋は述べている。しかしながら、Appleと音楽レーベルが、最終的に合意に至る保証が得られたわけではないという点にも注意を喚起している。とはいえ、もしiTunesで、Universal Music Group、Warner Music Group、Sony BMGから、DRMフリーの楽曲を販売する権利が獲得できるならば、デジタル音楽業界における、iTunesの支配的な地位が、さらに強化され、ライバル企業は、より差別化を図ることができる新サービスなどの提供を迫られることになるだろう。

 4大レコード会社は2007年に、すでにiTunes以外の音楽サービスにおいて、DRMフリーの楽曲販売を行う姿勢を明確に打ち出すようになった。この時期に、Amazon、MySpace Music、Napsterなどの企業が、オープンなMP3楽曲の販売を、一斉に開始している。MP3は、音楽ファイルの圧縮に用いられるフォーマット。まもなくUniversal Musicは、Microsoftの「Zune」向けに、MP3楽曲のライセンス提供を発表する予定である。EMIおよびWarnerは、現在すでに、MicrosoftのZune向けに、DRMフリーの楽曲販売契約を結んでいる。

 Appleに対抗する、これらの企業が注力してきたマーケティングは、主にDRMによる楽曲の制限がないというアイデアが中心となってきた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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