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見せる場所があるから、人は動画を作る--ニコニコムービーメーカー開発者に聞く - (page 2)
ツールもユーザーと共に成長する
インターネット社は、今から約20年前の1988年9月に創業。社名の「インターネット」はインターネットブームに乗じて付けられた名前ではないという。「まだ米国でもインターネットという言葉はあまり使われていなかった」当時、「なんとなく思いついた」(村上氏)のだそうだ。
主力事業は楽曲の制作、編集ソフトのパッケージ販売。初心者でも簡単に使えるようにした作曲ソフト「Singer Song Writer」や楽曲編集ソフト「Sound it!」などを販売している。
ドワンゴとは同社が2001年に着信メロディ事業に参入したときからの付き合いだ。「着メロ事業をやるのに、着メロ制作のためのツールや、楽曲アレンジのためのサーバ用エンジンが必要だという相談を受けた」(村上氏)。以来、インターネット社の技術はドワンゴの着メロ事業を支えている。
ただし同社はこれまで、動画作成機能を持ったソフトは手がけてこなかった。「これまで、社内でも動画制作ソフトを開発しようという話はあったが、誰が使うのかという部分が見えなかった。動画共有サイトが登場したことで、動画を見る人が動画を作るということが分かり、確固たるターゲットが見えた」と村上氏は話す。
動画共有サイトとしてはYouTubeやAmebaVisionなどもあるが、ニコニコ動画が登場した意義は大きかったそうだ。
インターネット代表取締役社長の村上昇氏(左)とドワンゴのニコニコ事業本部事業推進部第二セクションの曽原広行氏「ニコニコ動画が出てくるまで、動画を自分で作ろうと思う人はほとんどいなかった。いてもそれはニッチな趣味か、仕事。誰でも動画を作れる環境が整ったことに加えて、動画を投稿する場所ができたことで、動画を制作する目的ができた。普通の人は、何か目的があったり、動画を作る意味がなければ動画を作ろうとは思わない。ニコニコ動画に動画を投稿すること自体が、動画を作る動機になっている」(村上氏)
ニコニコムービーメーカー自体は無償で配布しており、ニワンゴから開発費を受け取っているわけでもないという。現在のところ、ニコニコムービーメーカーで利用できる楽曲素材の販売が収益源だ。
ニコニコムービーメーカーで使っている動画制作エンジンは、同社が3月7日に発売したマルチトラック サウンド録音/編集ソフト「OPUS」でも使われている。インターネット社としてはニコニコムービーメーカーの配布を通じて動画作成に関するユーザーニーズを拾い、今後の製品開発に生かす考えのようだ。
ニコニコムービーメーカーの機能は順次追加していくという。3月中にも、文字のフォントを変えられる機能など、ユーザーの要望が多いものを追加していく。「ユーザーと共に成長していけたらいい」(村上氏)
ただし、要望の多い動画編集機能については慎重だ。「動画対応へのニーズが大きいことは理解しているが、既存のほかのツールと同じことができるだけでは意味がない」(村上氏)と言い切る。動画の無料編集ツールとしてはマイクロソフトの「Windowsムービーメーカー」や個人が作成した「NiVE」などがあり、これらを使った作品がすでに多くニコニコ動画に投稿されているからだ。インターネット社としては、「ニコニコ動画ならではの機能を入れたものを作っていきたい」と話す。
ドワンゴ曽原氏によれば、ニコニコムービーメーカーの反響は上々のようだ。ツールを公開した3月5日から12日までの1週間で、ニコニコムービーメーカーを使って動画を投稿したユーザー数は2359人。このうち988人が、初めて動画を投稿した人だという。投稿された動画は5738件。「公開後1カ月内に投稿された動画のうち、10%はニコニコムービーメーカーを使ったもの、というのが社内の目標だったが、現在までのところ順調に来ている」(曽原氏)
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