物語参加型広告の可能性示す「ミクドラ」の成功事例

 利用者参加型のウェブサービスと、テレビ番組などに広告を自然に登場させる手法を組み合わせた新しい広告戦略が注目を集めている。広告のメディアソリューション事業やクロスメディア事業を手がけるアイメディアドライブの代表取締役社長である高松雄康氏は、10月25日に開かれた「CNET Japan Innovation Conference 2007」において「『ミクドラ』で見えた新広告戦略〜コンシューマ・ジェネレイテッド・プロダクト・プレイスメント〜」と題し、同社が行った新しい広告の事例とその検証結果について講演した。

 高松氏は新たな収益を生み出す包括的な広告計画の開発と実行が必要であるとし、「CGPP」の概念を提唱している。

071030_imedia.jpgアイメディアドライブ代表取締役社長の高松雄康氏。博報堂に約10年間勤務し、主にトヨタ自動車のCMを制作していた。

 CGPPとは、SNSやウェブコンテンツ、ブログなどで利用者が参加しながらコンテンツを作る「Consumer Generated Contents」と、テレビドラマや映画などのコンテンツの中に企業情報やブランド情報、サービス情報の広告をさりげなく登場させて自然な訴求を狙う「Product Placement」を組み合わせた言葉。

 これらを組み合わせることで、より親近感を高めながら広告情報を利用者に訴求するのがCGPPの概念だ。

 CGPPの確立には、現在のウェブ広告の市場動向が背景になっていると高松氏は言う。現在、ウェブ広告の市場では、クリック単価(CPC =Cost Per Click)や成果報酬型広告(CPA=Click Per Action)至上主義といった効率論重視の指標が台頭している。

 これにより値下げ合戦が起こり、収益の低下がサービス拡充の低下につながり、結果としてメディアが弱体化しているのが現状だと高松氏は説明する。これに対し、新たな広告サービスの確立が急務であり、それには単なる商品の売買ではなく、消費者と企業の関係性を高める「ユーザーエンゲージメント」の考え方が必要であるという。

 ユーザーエンゲージメントのプロセスには、参加性、話題性、親和性を満たすコンテンツが必要だ。そのコンテンツをユーザーが認知し共感することで、情報がバイラルに伝わっていく。このプロセスを実現するには、メディア視点、クライアント視点、コンテンツ視点の3つの視点でそれぞれ重要なポイントがあり、これらをクリアできるパートナーを募ることも重要であるとした。

 高松氏は、これらの考え方をもとにアイメディアドライブが提供したCGPPの第一回企画の事例としてSNS「mixi」を活用した「ミクドラ」を紹介した。ミクドラは、ユーザーがドラマ形式で展開するウェブ小説に参加しながら、広告主情報を同時に楽しめる仕掛けを用意したコンテンツだ。

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