BBCの「iPlayer」、Adobe Flashを採り入れWebサービスとして再始動へ

文:Josh Lowensohn(CNET News.com) 翻訳校正:藤原聡美、長谷睦2007年10月17日 19時37分

 BBCのオンデマンド型番組無料配信サービス「iPlayer」に対する評価は、今のところまちまちだ。iPlayerは、英国在住の視聴者が放映済みのテレビ番組をパソコンにダウンロードして、順番に、あるいはシーズン全放映分を一度に見たりできるようにするサービスだ。デジタル著作権管理(DRM)が厳格すぎることや、MacやLinuxではサービスが利用できないことに多くの批判が集中していたが、この問題は近いうちに解決されるはずだ。BBCが英国時間10月16日、iPlayerの動画コンテンツ配信にAdobe Systemsの「Adobe Flash Player」を採用し、現在はWindowsのみに対応しているサービスをウェブベースのプラットフォームに変えていくことを発表したからだ。

 Windows XPユーザーは今後もiPlayer専用ソフトウェアを使って放映前の番組もダウンロードできるが、デスクトップ上を埋め尽くすソフトをできるだけ減らしたいと思うユーザーなら、ブラウザのブックマーク機能を利用する方がいいと考えるだろう。

 さらにBBCは同日、英国内に7500カ所のWi-Fiスポットを設置、運営しているブロードバンドサービス企業The Cloudとの提携も明らかにした。The Cloudは、BBCのさまざまなWebサービスの利用者に対し、どこでも無料のWi-Fi接続を提供する。古いサイトを無料で閲覧するには、まずはThe Cloudのプリペイド式「Pay-as-you-go」コースや無制限接続プランに申し込まなければならないが、iPlayerで番組を視聴したり、BBC.co.ukのサイトを見たりするのは無料だ。

 BBCにとって、これは賢い選択と言えるだろう。iPlayerは元々、動画コンテンツの海賊行為に対抗する手段として考案された。しかし、これまでのような制限付きの閉鎖されたシステムではコンテンツを簡単に入手できないユーザーも出るため、それが逆にユーザーの目を海賊版コンテンツに向けさせる要因の1つになっていた。米国のコンテンツプロバイダーも似たような取り組みを進め、一定の成果は収めたようだが、海賊版コンテンツは依然横行している。(10月15日に発表された)YouTubeの著作権保護ツール「YouTube Video Identification」(YouTube Video ID)は、違法コンテンツをウェブから排除しようとするものだが、Bittorrentのような技術や他のピアツーピア(PtoP)プラットフォームは、ファイル交換を希望するユーザーのためにファイルの転送速度や安全性を高める努力を続けている。

 BBCは、改良を施した新しいiPlayerサービスを「2007年末までに」正式にスタートさせる予定だ。ただし、オンライン形式の視聴であっても、利用できるのは英国在住者に限られる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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