モバゲータウンは無料ゲームとSNSからスタートし、現在は占い、音楽配信、ニュース、天気予報、乗り換え案内など、数多くのサービスを提供している。ユーザーによる1日の日記投稿数は約56万件に達し、共通の趣味をもった仲間が集まるサークル数は約55万件ある。1日の掲示板への投稿は平均で290万件という。優勝作品に書籍の出版を保証したモバゲー小説大賞というイベントや、エイベックスと提携してCDデビューを確約したミュージックオーディションを開催している。
モバゲータウンが目指すのは、ポータルサイトとしての位置。PCインターネットにおけるYahoo! JAPANの位置をモバゲータウンがモバイルで実現させることだと南場氏は明かした。将来的にはウェブ検索エンジンも予定し、個人が携帯電話を開いたときに一番最初にいくサイトになるというのが目標だという。
PCと異なり、携帯電話ではいつでもどこでも使えるという特性によって、より気軽にインターネットにアクセスできる。この点を利用し、モバゲータウンではさまざまな広告展開を行っている。南場氏は講演で事例を紹介し、その効果について語った。
日本コカ・コーラが行ったゲーム連動広告では、「コークスキー」というキャラクターをゲームに登場させ、点数によってユーザーにアイテムをプレゼントした。ゲーム参加者は開始から18日間で50万人に達した。
また、サントリーのC.C.レモンとのタイアップでは、商品を飲むとゲーム内のキャラクターが体力回復するというゲームを提供。これにより、商品が体に良く、エネルギーの元になるという刷り込みに成功した。
イオンとのタイアップでは、実際に販売している浴衣をアバターアイテム化するという試みを実施した。ユーザーは仮想通貨でアイテムを購入し、アバターに着せてコーディネートを楽しみ、コンテストに参加することができた。このアイテムの販売数は20万点にのぼり、若い世代に浴衣を伝播していくことに成功。新たな着こなしも発見できたという。同じような試みとして、ナイキでも商品をアバターアイテム化し、ユーザー自身が広告塔となるマーケティングを展開した。
コカ・コーラとC.C.レモンの事例では、それぞれ、キャラクターを立てて日記を書き、ユーザーが友達登録できる機能を活用した。友達になるとマイページに日記の更新通知が伝わり、コカコーラでは友だち登録数が約30万人に達した。このような広告形態は、ユーザーに仲間として受け入れられ、コミュニケーションの輪の中に入っていけるというメリットがあると南場氏は述べた。
「定期的な情報通知を、友達との会話のような感覚で行えるわけです。ユーザーと企業が同じ視点で、双方向で展開できるのが利点となっています」
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