Yahooが27日に裁判所に提出した申立書によると、中国政府は、1989年6月に発生した天安門広場での抗議行動の記念日前後に騒動が起こる可能性があるとして警告を発したが、中国人ジャーナリストのShi氏(中国本土のContemporary Business Newsの記者)は、その情報を海外の記者に電子メールで送ったために起訴されたという。Shi氏は匿名のアカウントで文書を送信したが、中国当局は同氏を突き止めた。当局が同氏を発見できたのは、Yahooの香港子会社が、PCと同氏の情報を含むメッセージとを結びつけるIPアドレスを当局に提供したからとされている。申立書によると、中国政府はShi氏が送信した電子メールの内容を「国家機密」とみなしたという。
Shi氏は2004年11月に逮捕され、4カ月後に罪状を認めた。申立書によると、現在、同氏は囚人の虐待で知られる刑務所で10年の懲役に服しているという。
また同申立書によると、Shi氏の共同原告であるWang氏も中国本土で民主化を推進する出版社の編集者として働いていたが、「国家権力の打倒を扇動した」として政府に投獄されたという。Wang氏は2003年7月に有罪判決を受け、懲役10年を言い渡された。Wang氏の妻は、夫が拘置されたことにより「深刻な心理的、感情的な苦しみ」を強いられたことを理由にYahooと同社子会社を提訴していると、同申立書には書かれている。
Yahooの広報担当を務めるKelley Benander氏は、同社は人権を強く支持しており、世界各国で表現の自由やプライバシーを尊重していると述べる。しかし、今回の訴訟は政治上、外交上の問題であり、法的問題ではないと指摘した。
「Yahooは、原告の方々とそのご家族に対し心から同情しており、中国政府による彼らの権利や自由の抑圧を許容しているわけではない」(同申立書)
さらにYahooは申立書の中で、「しかし、中国政府、同政府が制定した法律、さらにその法律の執行方法については、Yahooはどうすることもできない」とした上で、「また、かつてのYahooの中国子会社が、中国政府から進行中の捜査に関連する証拠の提示を合法的に要請され、その要請に従ったという理由だけで、中国政府独自の行為についてYahooに法的責任を問うことはできない」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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