米下院司法委員会、ブロガーの権利も保護する法案を可決

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年08月02日 18時07分

 ワシントン発--米下院司法委員会は現地時間8月1日、ブッシュ政権の希望に反して、広告収入を得ているブロガーも含めたジャーナリストに対し、多くの状況で取材源の秘匿を認める法案を可決した。

 米下院司法委員会は、複数の議員が2時間近くにわたって懸念を口にした後、発声投票によって「Free Flow of Information Act」の修正案を可決した。Rick Boucher下院議員(民衆党、バージニア州選出)とMike Pence下院議員(共和党、インディアナ州選出)を主要な提案者とするこの法案ではそれ以前のものに比べて、保護の対象とする人々の範囲がこれまでよりも広がっている。

 委員長を務めるJohn Conyers下院議員(民主党、ミシガン州選出)は投票の前に、「われわれは今日、合衆国憲法修正第1条の起草者らによって記された最も基本的な原則の1つを取り戻すことになる」と述べていた。

 Boucher下院議員が1日に述べたところによると、ブッシュ政権やその他の議員らの懸念に応えるかたちで、修正法案は保護の対象を、ジャーナリスト活動を行うことで「金銭上の利益を得ているか、生活の手段を得ている」人々のみと定義することで、「カジュアルなブロガー」がこういった保護の対象外となるようにしたという。しかし、この法案が対象とする範囲は広く、Google AdsやBlogads.comから少額の売上を得ているパートタイム記者もその対象となる可能性がある。

 この法案はジャーナリスト活動というものを「地域、国内、および国外で起こった出来事、および公衆の興味が集まる問題に関するニュースや情報を広く一般に知らせることを目的に、取材、整理、収集し、写真や音声として記録し、執筆、編集、報道、公開すること」であると定義している。

 Boucher下院議員は、「保護の対象を(金銭上の利益を得る人々以外にまで)拡大することで、該当の情報を含むブログを作成するだけで、誰でも強制的な証言を避けることができるという道が開かれる」ことはこの法案の目指すところではないと述べている。

 しかし、一部の議員らは1日、ブログに広告を貼り付け、「金銭上の利益」という基準を満たすことは比較的容易かつ安価に行える時代において、そういった表現が効力を持つかどうかは疑問だと述べていた。Adam Schiff下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)はこの法案に反対票を投じる前に、誰でも「ブログを始め、そのブログに広告を募集すれば、実際に広告を得たかどうかにかかわらずジャーナリストとみなされるというのがこの法案だ」と述べていた。

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