YouTubeとCNNの提携は成功--米大統領選討論会の質問ビデオ企画

文:Declan McCullagh(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年07月25日 14時43分

 YouTubeに短いビデオを投稿することにより、大統領候補に質問する機会を米国民に与えるというアイデアは、最初は奇妙に感じられたかもしれない。しかし、このアイデアは成功した。

 米国時間7月23日の民主党討論会に向けられたビデオによる質問は、政治ジャーナリストらが好む回りくどい質問よりも身近で直接的なものであった。回りくどい表現は、筆者を含む専門家の欠点であることは認めざるを得ない。

 しかし問題は、政治家らがそれらの質問を避けたりはぐらかしたり、ときには質問に直接答えることなく回答したことであった(皮肉なことに、最初のユーザーからの投稿ビデオでは、候補者らに「今夜受ける質問にきちんと答えてほしい」と要求しており、この事態を予測していたが十分に説得することはできなかったことを示している)。

 例えば次のようなことがあった。米国軍事大学で学部長を務め、26年間陸軍に所属していた退役軍人のGary Berry氏は、非常に明快な2つの質問をした。同氏はまず、2009年の大統領就任後、すべての米国軍がイラクから引き揚げるのはいつになるかを知りたいと述べ、2つめに「軍隊に所属する親族は何人いるか?」と質問した。

 Hillary Clinton氏、Christopher Dodd氏、Bill Richardson氏、Joe Biden氏、Dennis Kucinich氏が、この質問に回答した。そのうち実際に完全に質問に答えたのはDodd氏のみで、同氏は陸軍予備役に在籍した経験があり、近親者に軍隊に務めた経験を持つ者がいると述べたが、自身が軍隊を離れたのは1975年であることには触れなかった。

 候補者らがこの問題を回避しているのは、みっともないことであるが明らかであった。その様子は、Charles Rangel下院議員(民主党、ニューヨーク州選出)の2006年の言葉を思い起こさせる。同氏は、「実際に徴兵制度があり、わが国の若者が危険な場所に配置されることになると議員と政府が考えたならば、現大統領と現在の政府は、議会に提出された薄弱な証拠だけで、イラクを侵略することはなかったであろう」と述べている。

 残念なことに、CNNの司会者であるAnderson Cooper氏は、候補者らに対し、質問に直接回答するようにと数回促しただけであった。

 CNNと、Googleが所有するYouTubeによれば、南カロライナ州チャールストンで23日夜に開催された民主党認定の討論会は、22日夜までに一般から投稿されたビデオの質問に基づいたものになったという。CNNには3000本近くのビデオが送付され、その中からCNN編集者らが2時間の討論会に使用する39本を選択した。

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